BACK-ONが振り返る15年の歩み、未来へ向けたセルフカバーを語る

―この15年って、スマホの登場、サブスクの普及等、音楽を取り巻く環境にとってすごく大きな変化が常にあった時代だと思います。そうした変化って音楽を作る上でどんな影響をもたらしていますか。

KENJI03:今、音楽をメインで聴くのってスマホだと思うし、そうするとどうしてもバンド、ギターサウンドってノイジーに聴こえちゃって耳障りな部分もすごく出てくると思うんです。2人体制になってからは、そういう部分を取り除いて聴きやすい方に持っていこうという志向になって行ったんですけど、自分たちの原点はバンドサウンドだし、今回はもう1回ノイジーなものを作りたいなという気持ちにさせてもらいました。

TEEDA:家のサウンドシステムで聴くっていう経験が、中高生とかにはなくなってると思うし、今はイヤホンで聴くか携帯を置きっぱなしにして聴くかが多いと思うんです。そういう中で回ってる音楽って、ヒップホップ、R&B、ポップスだったり、やっぱり歌がメインで出てくるものがほとんどだと思うんですけど、その中で「ちゃんとした音ってどうなんだろう?」と思ってサウンドシステムで聴いてみたいなとか、ヘッドホンで聴いてみようってなるようなサウンドになれば良いなって。そこから「ライブに行ってみたいな」という気持ちになってもらえたらなという思いはあります。

―なるほど、そういうサウンド作りに先ほどおっしゃっていた“緻密さ”があるということですね。今回、2枚に分かれている中でDISC1の方は曲が色んな年代に分かれていますし、曲ごとに音圧の違いなどあったんじゃないかと思うんですが、とてもスムーズに聴くことができました。このあたりはどんな工夫があるのでしょうか。

KENJI03:その時々のミックスエンジニアの違いもあるし、自分たちの録り方も全然違っていたので、それを揃えたいというのは確かに今回自分の中にはありました。後半の曲に関しては、それこそ音圧だとかギターサウンドのエッヂ感はもうちょっと立たせたいというのはこだわりましたね。あとテーマ的には、今までのオリジナルの音をなるべく使わないで、全部自分たちで一から録ったというのもあって。今の2人体制の新しい音を過去の曲で表現したかったというのはあります。

TEEDA:ライブでは今の自分たちのモチベーション、流行りとか、進化した部分でやりたいんですけど、過去の音源データを使ったりするので、いかんせん「ああ、ここ無くていいかな」とか「ここはもうちょっと欲しいな」という部分が出てくるんですよね。なので、どうせだったらガラッと1回録り直して、「これはいる、これはいらない」って全部整理しながら新しいサウンドに持っていきたいよねっていうのはありました。

KENJI03:例えば、「STRIKE BACK」は録り直してはいるんですけど、どちらかというとオリジナルをなぞっていったところが大きくて、あとはシンセとかストリングスを排除してより楽器隊を立たせるアレンジにしたりしています。



Rolling Stone Japan 編集部

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