BACK-ONが振り返る15年の歩み、未来へ向けたセルフカバーを語る

―では、それぞれ、DISC1でとくに思い入れのある曲を教えてもらえますか。

KENJI03:本当に今回は全部大変で(笑)。全部思い入れはあるんですけど、「a day dreaming...」は、オリジナルとは別のアプローチが、今回の収録曲の中でも色濃く出たのかなと思っています。オリジナルは、ミドルテンポの曲でドラムは8ビートで疾走感のある曲だったんですけど、それを完全にバラード調にしているんです。音数も、今までのBACK-ONからすると半分ぐらいしかなくて、新しいアプローチができたと思いますし、今の等身大の自分たちのバラード曲なんじゃないかなと思います。



―すごくメロウな曲ですね。こういうところは、音を引き算する志向になっている?

KENJI03:そうですね。今のヒットチャートを見ても、USとかはとくに音数は減らしていて。僕が好きなエンジニアさんとかは、「音が少ない方がより伝わる」という風におっしゃっていたので。このアルバムで初めてBACK-ONを知る人は、「a day dreaming...」はだいぶ印象が強く残るんじゃないかなと思っています。

TEEDA:僕は「OVER」です。デビュー当時のわりとラウドな曲なんですけど。今回セルフカバーをするにあたって確かにその頃よりキャリアもあって上手く歌えるんですけど、そうやってしまったらこの曲の方向性と違ってきちゃうと思ったんです。なので、「いかにその当時っぽく歌えるか?」ということを重視しました。オリジナルを聴いてみたら、「若いわ~声高いな~」と思って(笑)。リズム感も若いな、突っ込んでるな、勢いだけだな、みたいな。歌詞で言ってることも、「壁を越えろ」というテーマだったら全部に「壁を越えろ」って言ってるし。もっと上手い言い回しはなかったのかなって(笑)。それで歌詞も変えたいなというのもあったんですけど、でもこれはその当時にしかできないもの、書けないものだし、当時の勢いも大事だと思ったんです。そこを残しつつ、今の自分と20歳ぐらいの自分をミックスするか、というのがすごくむずかしかったです。普通に歌ってるつもりでも、ちょっとグルーヴが出ちゃったりして、パンクなノリがなくなっちゃってるんですよね。それを思い出すのがすごく大変でしたけど、今の自分と20歳ぐらいの自分をほどよくミックスできた感じがしてすごく思い入れがありますね。

Rolling Stone Japan 編集部

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