大村雅朗が40年前に志向していたクールなサウンド、プロデューサー木﨑賢治と語る



木﨑:この曲も大村さんがかんでたってまったく知らなくて。沢田研二のエンジニアが吉野金次さんっていって、このアルバムをやったんですよね。この曲ができたときに沢田研二のスタジオで、佐野元春の新曲聞いてくれる?って大音量でかけたのが「SOMEDAY」で。人のスタジオで勝手にでっかい音でかけて(笑)。いい曲だなと思って。

田家:この「SOMEDAY」の大村さんのアレンジの素晴らしいところはどんなふうに語られますか。

木﨑:これどこが大村さんがやっているかわからないんですけど、多分ストリングスアレンジなんですかね。

田家:亀田さんがそう書かれてましたね。『大村雅朗の軌跡』でこの曲を選んで、こんなふうにお書きになっていました。「スタジオでは佐野さんが持っていた明確な意図を汲みながら、大村さんがストリングスアレンジに広がりを与えていったそうだ」って。

木﨑:このアレンジはあんまり大村さんぽくはないなと思って。ピアノとかリズムセクションは、伊藤銀次さん+佐野さんぽいなとは思ってます。

田家:佐野さんの意図を汲んで大村さんがアレンジした。

木﨑:海外のアーティストとかはアレンジっていうとストリングスアレンジで、リズムセクションを自分たちで作ってそういうのをやる人がアレンジャーと言ってて。プロデューサーが大体リズムセクションは作っている。多分そういう感じだったので、大村さんがやってたのは最近知った。後でいろいろ大村さんと別のとこでも繋がりがあったんだなと思って。

田家:そうやって後になって聞いて、これも大村さんだったって気がついて、どういう受けとめ方になるんですか。大村さんはこんなこともやってたのか、こんな面があったのかとか。

木﨑:自分がやるのだけで精一杯だったし、今みたいに簡単に聞けなかったじゃないですか、Spotifyとかそういうストリーミングもないし。

田家:誰かがレコード持ってきてくれないと他の人の曲ってなかなか耳に入らなかったですよね。木﨑さんが選ばれた4曲目は、作詞・銀色夏生、作曲・大澤誉志幸、編曲・大村雅朗、歌・沢田研二、「晴れのちBLUE BOY」。

Rolling Stone Japan 編集部

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