大村雅朗没後25年、生前最後のスタジオをともにした石川鉄男と音像を辿る



石川:この曲は僕の目線で観ると、THE大村さんなんですよ。

田家:これがTHE大村雅朗だ! と。

石川:大村さんの中に鳴っている音、メジャー7の音というか、おしゃれで、でもテンションはいきすぎてなくて。ポップである世界観は大村さんのやりたかった音なんじゃないかな。松武秀樹さんと山田秀俊さんというキーボーディスト、コーラスの方がいるんですけども、その方と2人でイントロの一番印象的なところを日々何テイクも作って、コーラスを多重録音して作って本当に苦労したと。あのお二方がいて、大村さんのやりたい世界の奇跡が生まれたんじゃないかな。最初のデモテープを聴かせてもらったんですけど、こういうイントロじゃないんですよ。このイントロがあってこの透明感があったのが大村雅朗が魅せた才能の化学反応ですね。僕もそういうことを大村さんにやられていたのかなという感じがします。

田家:そういうそれぞれの方のメモリーズが2月10日、大阪フェスティバルホールのトリビュート・コンサート25周年スーパーライブで表現される、伝えられるんでしょうね。

石川:そうですね。出演者の方も幅が広くて、1日で1つの軸ではあるんだけどこれを同時に体感できる、やっている方としてもワクワクするんです。次の展開が読めないというか、あれ次誰だっけ? ってなるので観ると本当に楽しいと思いますね。

田家:ばんばひろふみさん、八神純子さん、渡辺美里さん、大澤誉志幸さん、南佳孝さん、槇原敬之さん、バンドがすごいですね。ギター佐橋佳幸さん、ベース亀田誠治さん、ドラム山木秀夫さん、ギター今剛さん、キーボード斎藤有太さん、サックス山本拓夫さん、マニピュレーターが石川鉄男さん。石川さんが一番楽しみにしているご自分のお仕事はどういうものですか?

石川:1日でこれだけの人が立ち代わり出るので、聴いている人を気持ちよくさせてあげたいと思って。そのためにはやっぱり曲間だとか、紹介して「なんとかさんです、次の曲はどうですか、行きますよ」って感じではなくて、劇的にパッパッと歩いてきたら前を向いた瞬間にイントロが流れるとか、そういうタイミングで流す演出を相当考えてみようかなと。

田家:それを司るのがマニピュレーターで、そういう意味でのコンダクターみたいな。

石川:コンダクターみたいなことを楽しみたいなと。

田家:分かりました。素晴らしいライブになると思います。ありがとうございました!

石川:ありがとうございました!


左から、石川鉄男、田家秀樹

Rolling Stone Japan 編集部

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