大村雅朗没後25年、生前最後のスタジオをともにした石川鉄男と音像を辿る



石川:いい曲ですねー。この曲を選んだのは個人的に薬師丸ひろ子さんが好きなので聴きたいのもあったんですけど、大村さんっぽくないなと思って。職業アレンジャーというか。

田家:どのへんがですか?

石川:緻密なんですよね。所謂ミュージシャンではない。ちゃんと譜面があって、構成ができていて予定調和で出来上がったオケ。偶然できるオケじゃないですよね。僕のイメージだと譜面台に書いてあって、こんな感じで後はよろしくみたいなニュアンスなんですよ。

田家:実は来週のゲストの佐橋佳幸さんと亀田誠治さんが選曲された2枚組オリジナル『作編曲家 大村雅朗の軌跡 1776-1999』で亀田さんがこの曲を選ばれていて、ご自分でライナーノーツに「ひんやりとした温度感とスタジオミュージシャンの生音が作り出す奥行き」と書かれている。上手い表現ですねー。

石川:やっぱり言葉が違いますね。

田家:そういうことを全部計算されている曲だと。

石川:1個1個が順番に出てきて、それぞれ意味があって、同じことを繰り返さないでどんどん進んでいく。

田家:大村さんの曲は女性の曲を挙げられる方が多いですが、男性の曲も名曲がたくさんあります。石川さんが選ばれた今日の5曲目。岸田智史さんの1979年の曲「きみの朝」。

Rolling Stone Japan 編集部

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