大村雅朗没後25年、生前最後のスタジオをともにした石川鉄男と音像を辿る



田家:流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさん「静かな伝説」です。

「みずいろの雨」の最初のレコーディングで、機材の説明に行ったときに大村さんと出会った。小学生だった話は衝撃的でしたね。そこから1997年の最後も看取られているわけですから、石川鉄男さんの音楽人生に大村雅朗さんという人がどれくらい深く関わっていたかあらためて再認識させられました。

70年代~80年代、ずっと聴いてこられた方はリアルタイムでそう思われたでしょうけど、音が変わりましたからね。エンジニアの時代が訪れて、デジタルレコーディングが始まりドラムの音やベースの音が変わったりした。そういう80年代の音を作り上げた中で、マニピュレーターという人たちの功績は大きかったでしょうね。日本だとYMOを手掛けていた松武秀樹さんが4人目のYMOと言われていたわけで、そういう機材の進歩を最大限活かしながら音を作ってきたのが大村さんだったんだなと、あらためて思いました。

大村さんの本が出ているんですね。『大村雅朗の奇跡 1951-1997』、梶田昌史さん、田渕浩久さんというお2人がお書きになっているんですけども、ここに全曲リストが載っているんです。1978年の「みずいろの雨」。1979年85曲、1980年131曲、1981年211曲。これは僕が自分で数えたので数曲数え間違いはしていると思うんですけど、いきなり増えていっているんだとよく分かります。80年代のテクノロジーを含めたサウンドの変化と一体だったのが大村さん。バンドや生楽器の音だけじゃないアレンジを作り上げて、80年代の音楽を作ってきた。今のネット時代はデスクトップの中でできる時代ですから、こういう時代だからこそ大村さんの音作りが再評価される。これが必然ではないかなと思いながら、来週、佐橋佳幸さんと亀田誠治さんが登場します。



<イベント情報>



大村雅朗 25th Memorial Super Live ~tribute to Masaaki Omura~
2023年2月10日(金)フェスティバルホール(大阪府)
時間:開場 17:30 / 開演 18:30
出演:大澤誉志幸 / ばんばひろふみ / 槇原敬之 / 南佳孝 / 八神純子 / 渡辺美里 / B・T・S(Baku-san Tribute Session)BAND / 佐橋佳幸(音楽監督、g) / 亀田誠治(音楽監督、b) / 山木秀夫(ds) / 今剛(g) / 石川鉄男(Mp) / 斎藤有太(key) / 山本拓夫(sax) [ゲスト]松本隆(トークゲスト) [DJ]砂原良徳(GUEST DJ)

https://omuramasaaki-25th.jp/

<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
https://cocolo.jp/service/homepage/index/1210

OFFICIAL WEBSITE : https://cocolo.jp/
OFFICIAL Twitter :@fmcocolo765
OFFICIAL Facebook : @FMCOCOLO
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cocolo.jp/i/radiko

Rolling Stone Japan 編集部

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