河合奈保子の楽曲から辿る、編曲家・大村雅朗の軌跡



田家:流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」です。

河合奈保子さんの全曲ランキングを覚えているのはすごかったですね。ああいう方がいらっしゃるのが心強いというか嬉しいというか微笑ましいというか。楽しい1時間でした。食わず嫌いって言葉がありますけど、音楽にも聞かず嫌いってのいうがあるんですよね。先入観、思い込み、レッテル。自分でその音楽の良さを味わったり確かめたりする前に、色んなハードル、フィルターがかかっちゃったりして、なかなか音楽に向き合わなかった。アイドルっていうのはそういう対象だったと思うようになったのも最近なんです。松本隆さんが大きい存在で、松本さんを入口にして松田聖子さんをずっと聴いていった。そうやって聞いていったアイドルの人たちの音楽は奥が深いなと思いましたね。

色んな作家の人たちが関わってその時代の新しいことをやろうとしている。アレンジャーもそういう存在だったんだっていうのも大きな変化、傾向でしょうね。アレンジャーがレコードにクレジットされてなかった、残されたテープにもクレジットされてなかった、そういう時代だったんですよね。70年代まではアレンジ印税もなかった。アレンジャーっていう存在がちゃんと脚光を浴びるようになったのは80年代に入ってからですね。その中でも頑張っていたのが、この番組の最多出演ゲスト・瀬尾一三さん。そして大村雅朗さんですね。今回のこの河合奈保子さんのアルバムも、大村雅朗という入り口がなかったらずっと聞かなかったかもしれない。大村さんを通して聴いたときに、河合奈保子さんという歌い手がどういう人なのか分かると。特に今日の土屋さんの話でおわかりいただけたと思うんですが、今まで聴いてきた曲が違う聴こえ方をする、そんな1カ月になると思います。2月10日に大阪フェスティバルホールで没後25周年のメモリアルスーパーライブがあります。来週と再来週はそのライブに関わる縁の人たちが登場します。



<イベント情報>



大村雅朗 25th Memorial Super Live ~tribute to Masaaki Omura~
2023年2月10日(金)フェスティバルホール(大阪府)
時間:開場 17:30 / 開演 18:30
出演:大澤誉志幸 / ばんばひろふみ / 槇原敬之 / 南佳孝 / 八神純子 / 渡辺美里 / B・T・S(Baku-san Tribute Session)BAND / 佐橋佳幸(音楽監督、g) / 亀田誠治(音楽監督、b) / 山木秀夫(ds) / 今剛(g) / 石川鉄男(Mp) / 斎藤有太(key) / 山本拓夫(sax) [ゲスト]松本隆(トークゲスト) [DJ]砂原良徳(GUEST DJ)

https://omuramasaaki-25th.jp/

<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
https://cocolo.jp/service/homepage/index/1210

OFFICIAL WEBSITE : https://cocolo.jp/
OFFICIAL Twitter :@fmcocolo765
OFFICIAL Facebook : @FMCOCOLO
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cocolo.jp/i/radiko

Rolling Stone Japan 編集部

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