アルファレコードが求めた精神の自由 村井邦彦と共に振り返る

(インタビュー)

村井:さっきもお話した、日本が独立を取り戻して数年というタイミングで日本の古典舞踊・文化を世界に持っていったんですね。僕はその頃まだ子供でしたけど、その関係の人たちがまたね、僕の人生で色々あったんです。例えば勝新太郎さんと若山富三郎さんの兄弟は、アズマカブキの三味線プレイヤーとして行っているんです。後年、僕は勝新太郎さんと若山富三郎さんの映画のために、2、30本くらい映画音楽をやっていて。一番最初は勝さんから指名があったんだけど、色々話していたら、僕が川添浩史さんに可愛がられていたということが分かってきて、それ以来僕と勝さんの関係はすごく強くなったんですね。

(スタジオ)

田家:村井さんは今回の映像作品のリリースに伴って色々なメディアに登場されていて、YMOのことはかなり話されてるんでしょうね。この番組のインタビューでは、YMOのことよりもアズマカブキの話がしたいという雰囲気が強く伝わってきてこういう話になりました(笑)。YMOの話が勝新太郎さんの話になった、これがインタビューの面白いところです。

『モンパルナス1934~キャンティ前史~』は、改めてアルファミュージック、村井邦彦さんを知るとてもいい材料になっています。川添浩史さんのことをよくご存知の安倍寧さんという僕らの大先輩、ショービジネスの生き字引のような音楽評論家との対談が『モンパルナス1934~キャンティ前史~』の取材のために行われてました。その中で安倍さんが「川添浩史さんは、反権力的な面があったんだよね」という話をしていたら、村井さんが「そうなんです、そこに惹かれているんです」と答えられていたんですよ。アルファミュージック、村井邦彦という流れの中で反権力という言葉がとても新鮮に聞こえて。今までそんな流れでアルファミュージックを語ったことがない、見たことがないと思って、そのことを訊いたら村井さんはこんな風にお話くださいました。

Rolling Stone Japan 編集部

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