アルファレコードが求めた精神の自由 村井邦彦と共に振り返る

(スタジオ)

田家:こういう話になりました。『モンパルナス1934~キャンティ前史~』はそういうことを考えさせる小説でもあったんですが、アルファミュージック、村井邦彦さん、川添象郎さんなど今月登場している人にとっては、音楽とはこうあるべきだという思想やバックボーンがあったということを今頃知ったという感じがありますね。1970年代〜1980年代のアルファミュージックはおしゃれな音楽だと皆が思っていましたからね。そういうことだけじゃないんだということを今改めて思ってもらえたら、この番組の意味があったんではないかと思いながら、この曲をお聞きください。「WE BELIEVE IN MUSIC」。

WE BELIEVE IN MUSIC / 小坂忠、Asiah、他

田家:作詞が山上路夫さんで、作曲が村井邦彦さんです。アルファアメリカは、色々な契約の問題や経営的な問題があって1983年に撤退して、YMOもその年に散開します。村井さんは1985年に身を引いて、1990年代には日本の音楽シーンから離れてロサンゼルスに住むようになって、今もロサンゼルスにお住まいです。ご自分でも、クラブでジャズを弾いたり歌ったり、自分の曲を発表しているという生活です。2019年に、細野晴臣さんがアメリカツアーをやりました。この模様は映画にもなっているんですが、このロサンゼルス公演に村井さんやヴァン・ダイク・パークスさんなど所縁のある人たちが集まるシーンが感動的でした。色々な経験を経て、同じ音楽を40年以上前に志した人たちがアメリカで再会したというのが多くのことを物語っているような気がしました。村井さんには、退社以降のことも訊いております。お聞きいただく曲は、「ALFA MUSIC LIVE」で最後に村井さんが歌った「美しい星」。これは1973年に赤い鳥に書いた曲でした。その曲の話も訊いております。

Rolling Stone Japan 編集部

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