アルファレコードが求めた精神の自由 村井邦彦と共に振り返る

村井邦彦


田家:『モンパルナス1934~キャンティ前史~』はこの後どうなっていくでしょう?

村井:川添浩史さんは1970年1月に亡くなっちゃいますから、そこまでだと思うんですね。その後に細野晴臣とかユーミンがどういう活躍をしたかというのは箇条書きでまとめるかもしれないけど、ストーリーとしては川添浩史の死を以て終わりになると思います。年内くらいには決着をつけたいと思っているんですけど、そうすると僕が77歳になった辺りで出版記念パーティができるかなと思って(笑)。

(スタジオ)

田家:77歳の出版パーティを楽しみにしたいと思います。『モンパルナス1934~キャンティ前史~』、僕らが知りたかったこと、戦前から戦後にかけてを日本の音楽に新しいものを取り入れた、自由を愛した音楽人や文化人がどんな風に過ごして、戦後どう花開いたのかという答えが書かれています。今小説は連載中なんですが、その合間に取材のための対談も行われていて、それも発売されるんだそうです。その時は、今日お聞きいただいた話をもっと色々な形でできるんではないかと楽しみにしております。



田家:FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」アルファミュージック特集Part4。日本のポップミュージックの流れを変えた音楽制作会社アルファミュージックの特集。2015年のライブ「ALFA MUSIC LIVE」の映像作品が今年3月に発売されました。それを使いながらの特集です。ゲストには、現在ロサンゼルスにお住まいのアルファミュージックの設立者、村井邦彦さんをゲストにお送りしました。流れているのは、この番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。

今はシティポップ、アルファサウンドと言いましょうか。そこにティン・パン・アレイや女性アーティストが歌ってという作品が、海外の色々なところから反響があるという時代になっております。今回こうやってアルファミュージックや村井さんを辿ってみて、今まで何にも知らなかったなというのが素朴な感想です。何の保障もない中で新しいことをやろうとする人たちには動機があります。それを支えるエネルギーや信念、情熱もある。その裏付けとなる精神的な支えがなんだったのか? 村井さんがアルファから撤退して35年経ってようやく訊けたのが、個人的には最大の収穫だったと思います。

川添浩史さんから何を受け継いだのか? アルファミュージックは何を伝えようとしてきたのか? それは精神の自由だった。音楽や芸術の自由が一番力になるんだということを川添浩史さんは伝えようとして、キャンティが始まったんですよ。『モンパルナス1934~キャンティ前史~』には、キャンティ前史というサブタイトルがついています。今、世界中が自由というのを軸に揺れ動いております。自由でいいのか? それを制約すべきなのか? ということで皆が右往左往しているわけで、改めて時代を超えて学ばないといけないことがあるのではないかと思って、村井さんのインタビューをお聞きしておりました。音楽がこうやって伝わっていく時代だからこそ、色々なことを改めて知ってほしいなと思いました。77歳の出版記念パーティを楽しみにしましょう。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

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