真心ブラザーズが語る、デビュー32年目にして極めた自然体

ーじゃあ、音楽も自分が楽しいと思える量でやってきたということですか?

YO-KING:その通りですね。音楽はそんなに過剰にのめり込むこともなく、ずっと離れてしまうこともなく。さっき達成感があんまりないって言ったのは、俺は感情のふり幅がそんなにないんですよ。常に「ちょい機嫌がいい」がずっと続いてるだけで、めちゃめちゃ落ち込んだりとか、めちゃめちゃ最高! っていうことがあんまりなくて。そういう意味ではつまんないといえばつまんない人生なんだけど(笑)。でも常に機嫌よく、楽しくやっているので、そこがみんな仕事がしやすいと思うし、お客さんもそこの安定性がわかってると思うんだよね。俺が出てきて、機嫌が悪くて途中で帰っちゃいましたとかいうことは、まずないから(笑)。若い頃はステージで悪態をつくことはあったけど、なんか突然泣き出しちゃうとかはないからね。

ー先日行われた生配信ライブ「Cheer up!002」は短い時間ながらギュッと凝縮されていて素晴らしいライブでしたし、おふたりともすごくご機嫌にライブを楽しんでいる様子でした。

桜井:ははははは。楽しかったですよ。

YO-KING:うん、楽しかったね。

ーニューアルバムから全曲を演奏するセットリストというのは初めての試みだったんですか?

桜井:そうですね。やっぱり、「「サマーヌード」やらなくていいのかなあ?」って思っちゃうんですよね(笑)。

ーすでにアレンジも若干変わっている曲もあったようですが。

桜井:まあ、そこまでは変わっているわけではないですけど、「この曲はCDの感じとは違う方へ動こうとしてるな」っていうのは、いろいろ感じながらやってました。「不良」とかは、CDだとイントロが短いですけど、配信ライブのときはイントロがCDより8小節長くて。リハではもっと長くてなかなか歌いださなくて、ギターソロとか弾き始めちゃって。これは映像スタッフが「聞いてるサイズと違うぞ?」って思わないかなって(笑)。でも、そういう気分で尺やノリが変わったりしそうだぞっていうのは、「不良」に感じました。

ー「不良」は “ぼくらはもっと正しくなくていいよ”という歌詞にあるように、今のご時世を反映した内容が印象的です。

YO-KING:今の時期だからこそできた曲というのは間違いないですね。みんなそれぞれ考えたとは思うけど。俺は自分の外、取り巻く世界のことも考えたけど、「あ、自分はこういう人間なんだ」というのが改めてわかったというか。人のことをあんまり気にしないんだけど、何かをやるなと言われるとすごく嫌なんだなあって(笑)。やっぱり自由が好きなんだなって。

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