伊東ゆかりステージデビュー70周年、本人と振り返る1958年から1970年

おしゃベりな真珠 / 伊東ゆかり

田家:伊東ゆかりさんが選ばれた4曲目。1965年6月発売「おしゃベりな真珠」。作詞が安井かずみさんで、作曲がいずみたくさん。映画にもお出になりました。

伊東:映画『おしゃべりな真珠』で、相手役が島かおりさん。途中バスタオルを巻くシーンがありまして、2人で抵抗しました。この『おしゃべりな真珠』は一昨年だったっけ、ラピュタ 阿佐ヶ谷っていう映画館で上映して、ゲストが私で映画館で初めてお喋りをして。ああいうお仕事は初めてだったんで面白かったですね。

田家:安井かずみさんとの出会いは大きかったですか?

伊東:安井かずみさんは、カバーをしてるときからみナみ カズみっていう名前で訳詞と言うかポップスの詞を書いていた、すごく素敵な人で。フランス語もベラベラで、素敵な女性だなと思いましたね。

田家:フェリス女学院ですからね。

伊東:「おしゃべりな真珠」で初めて詞を書いてもらって、いずみたく先生からも初めてオリジナルいただいたのかな。安井かずみさんが「おしゃベりな真珠」でレコード大賞の作詩賞を初めていただいて、「ゆかりちゃんありがとう」って感謝されました。

田家:1964年の雑誌ミュージックライフでの女性歌手人気ランキングって企画があって、1位が弘田三枝子さんで、2位が江利チエミさんで、3位が伊東ゆかりさんだった。

伊東:へえ、ミュージックライフって懐かしいな。ありましたね。

田家:シンコーミュージック。江利チエミさん、弘田三枝子さんの話は来週再来週に伺おうと楽しみにしております。

愛のめざめ / 伊東ゆかり

田家:今日の5曲目。1965年2月発売「愛のめざめ」。作詞は岩谷時子さんで、ウィルマ・ゴイクのヒット曲のカバーですね。

伊東:このハーモニカのイントロ大好きですね。これはちょっと悲しいエピソードがありまして、地中海フェスティバルで優勝はしたんですけど、作詞作曲をしているルイジ・テンコさんが、サンレモ音楽祭に出たときに落選しちゃったんですって。あまりのショックで自殺しちゃったんですよ。その当時の恋人でフランスの歌手のダリダさんがサンレモ音楽祭でこの歌を歌ったっていうエピソードを聞いて、すごく思い入れがあって歌った曲ですね。聞いた後でしたから、ウィルマ・ゴイクの切ない声とハーモニカ、たしかオリジナルもハーモニカが出てくるんですけど、それがものすごく切なくてね。そういうエピソード泣きながら聞きました。この歌好きって言ってレコーディングさせてもらいましたね。

田家:イタリアの出来事が思い出にあるという。

伊東:そういう恋は、ちょっと悲しいけど、うらやましいなと思いましたね。

田家:なかなか日本ではそういう恋はできない。

Rolling Stone Japan 編集部

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