伊東ゆかりステージデビュー70周年、本人と振り返る1958年から1970年

伊東:あけましておめでとうございます。伊東ゆかりです。よろしくお願いします。

田家:70周年です。

伊東:ふふふ。あまりピンとは来ないんです。歳ばっかり経っちゃったかなって感じで。

田家:こういう新しい年をどんなお気持ちで迎えてらっしゃるだろうなって。

伊東:レコードデビューして65年。歌い始めて70年ということで、2023年が終わるまでに歌手生活70年コキコキコンサートをやりたいなと思ってます(笑)。

田家:ぜひそれはもう実現してください(笑)。この70周年に合わせて6枚組のボックスが去年発売になりました。

伊東:レコードデビューして65周年ということで138曲入っております。『POPS QUEEN』なんてタイトルがついて(笑)。まあ、クイーンって嬉しいですよね、何でも。

田家:だって、ここまで長く歌ってらっしゃる方は他にいらっしゃらないでしょう?

伊東:いや、そんなことないと思いますけどね。私達の年代の歌手の方って結構下積みの長い方が多いから。例えばポップスを歌ってなくても、最初は童謡とか演歌とか歌ってらっしゃった方もいるから。70年の方って結構いらっしゃるんじゃないですかね。

田家:由紀さおりさんとか数えるほどしかいないんじゃないですかね。今ステージデビューとレコードデビューと分けてお話されましたけど、ご自分の始まりとしてはどちらの方が。

伊東:私は歌い始めの方がピンときますねよね。体の中に歌がどっぷり染み込んでいるって感じですから。

田家:じゃあやっぱり70周年でいきましょう(笑)。今回のボックスに合わせて伊東ゆかりさんに「曲を選んでいただけませんか?」とお願いしたらですね、「小指の想い出」と「恋のしずく」が入ってなかったんですよね。

伊東:別に「小指」と「恋しず」は……あ、短く言っちゃいましたけど。

田家:「小指」「恋しず」いいですね(笑)。

伊東:普段歌っているのでつまらないなと思って。どうせなら懐かしい歌の方がいいなと思って独断と偏見で選びました。すいません。でも、さっきかかってましたもんね?

田家:前テーマで、この2曲を毎週交互に長そうということにしました。いろいろ資料を拝見していたら、「小指の想い出」は当時あまり歌いたがらなかったってお話があってですね、後ほどその話も伺いますね。今週はDisc 1と2と3、1958年から1970年。まさに日本のポップミュージック創世記の中の曲を選んでいただきました。58年から70年。ゆかりさんにとってどんな12年だったのかもお聞きしていきます。まずは1曲目。1959年発売「パパの日記」。

パパの日記 / 伊東ゆかり

田家:ステージデビュー70周年、伊東ゆかり自叙伝、1曲目。1959年に発売になった「パパの日記」。4ビートの渋い、いい曲ですね。

伊東:鈴木章治さんのクラリネットが泣けてきちゃいますよね。

田家:はい。「鈴懸の径」。

伊東:あとは吉田矢健治さん。キングレコード専属の作曲家さん。多分父が吉田矢先生と仲良くしてたので、「俺の歌を作ってくれ」って言ったんじゃないかなと思います(笑)。

田家:お父様が吉田矢さんにそうおっしゃった?

伊東:多分そうだと思います。よく2人で飲みに行ったり何か話してましたから。

田家:お父様はジャズミュージシャンでいらしたわけですよね。この歌を歌ったときが小学校6年生。

伊東:難しいですよね、この歌。父の言う通りに歌ってますねこの歌。大きく張るところと静かに歌うところとはっきりわかれているでしょ? 父の言う通りに歌ってますね。

田家:今月はお父様の話が随所に登場されると思いますね。そういうこともあってこの曲から始められたんだろうなと思います。

伊東:ありがとうございます。父も喜んでいると思います。

Rolling Stone Japan 編集部

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