「八神純子特集」、東日本大震災を経て誓った“第二の音楽人生”を語る



八神:このサビの私のハーモニーが頭の中にずっとあって、どうしてもこれを作品に出さないと我慢できない「形にしないとやだ!」というのがあったので、作ってすっきりしました。

田家:先週の話にもありましたけど、洋楽という中にはアメリカだけではなくて、ブラジルがあったりしたわけでしょ? そういうご自分の洋楽体験の中にサンバ的なもの、ラテンのものもあったりしたと。

八神:ジェニファー・ロペスが私は大好きなんですよね。あの端切れの良さって言うかなあ。心地よさが私の中にはすごくあって、その彼女のイメージでこれを書いたんですよね。

田家:やっぱりそういう意味では、向こうに20年以上暮らしていたということで、自然に入っている情景だとか人間像みたいなものがたくさんあって出てきているんでしょうね。被災地での活動も含めて歌ということに対して意識が全く変わったときに、今まで出てこなかったものが形になってきているというのが3枚のアルバムなのかもしれないですね。

八神:そうですね。この3枚のアルバムで1番大事にしているのはひらめきだと思います。ひらめきを信じましょうって思い始めて、もうひらめきに限る! って思い続けてきて、今回『TERRA ~ here we will stay』というアルバムが出たんですけども。

田家:来週ご紹介することになると思うのですが、キャリアの長いアーティストに対してあの人はいつがピークだろうみたいな言い方をよくしますよね。ご自分では私のピークってどういうふうに思っていらっしゃいますか?

八神:「まだ声がよく出ますね」なんて言われるんです。「まだってどういう意味ですか?」って本当は言いたいんですけれども、「あ、どうもありがとうございます!」って言うしかないじゃないですか。なぜかと言うと、少なくとも私は、ずっとライジングしている気持ちなんです。だから進化し続ける、そんな姿勢でいる。それが私の信じるアーティストの姿、プロフェッショナルだと思うのでピークは今。

田家:震災、復帰後のこの3枚のアルバムもそうですし、ライブを拝見していて今が1番いいなと思ったりしますもんね。

八神:ありがとうございます(笑)。

田家:そういう中で純子さんが『There you are』から選ばれた最後の1曲「明日の風」。

Rolling Stone Japan 編集部

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