岡村靖幸、最新アルバム『操』までを当時のプロモーターとV4代表が語る

岡村靖幸

日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出していく。2021年11月の特集は「J-POP LEGEND FORUM 再評価シリーズ第1弾 岡村靖幸」。2021年11月16日に初めてのアナログ盤『家庭教師』が発売された岡村靖幸のEPIC時代を辿る。11月最終週のパート5は、当時のプロモーター、現在はソニー・ミュージックダイレクト制作部部長・福田良昭と、現所属事務所・自主レーベルV4の代表取締役社長、アルバム『操』のプロデューサー、ディレクター・近藤雅信をゲストにアルバム5th『靖幸』から最新アルバム『操』を再評価する。

田家秀樹:こんばんは。FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」案内人・田家秀樹です。今流れているのは岡村靖幸さん「どぉなっちゃってんだよ」。1990年11月16日に発売になりました、先日31年振りに初めてアナログ盤になった4枚目のアルバム『家庭教師』の1曲目。今月の前テーマはこの曲です。

関連記事:岡村靖幸『靖幸』、当時のプロモーターと岡村ワールドについて語る



今月は5枚のオリジナルアルバムを毎週1枚ずつ取り上げて聴いていこうということで始まったのですが、今週は1995年12月に出た『禁じられた生きがい』と2020年4月に出た新作アルバム『操』。2枚のお話をしていこうと思います。当初はEPIC時代の5枚のオリジナルアルバムご紹介の1ヶ月という趣旨で始まったのですが、やっていくうちに再評価という言葉が自分で気になってきまして。過去の人をあらためて見直すと認識されるのだとしたら、それは本意ではないなと方針を変更して、やっぱり最後は最新アルバム、最新シングルの話を訊いていこうということになりました。ゲストは先週に続いてソニー・ミュージックダイレクトの部長、4枚目のアルバム『家庭教師』から担当になって、今の岡村さん担当でもある福田良昭さん。そして、今の所属事務所自主レーベルV4の代表取締役社長、アルバム『操』のプロデューサー、ディレクター・近藤雅信さん、お2人をお招きしております。

福田良昭:こんばんは! よろしくおねがいします。

近藤雅信:毎度いつも呼んでいただいてありがとうございます(笑)。

田家:1ヶ月間近藤さんのキャリアを特集したこともありましたが、先日アナログ盤になった『家庭教師』はお2人がタッグで動いて誕生したということになりますよね?

福田:というよりは、大プロデューサーの近藤さんがいらっしゃいますので。基本は近藤さんのアイデアというか、近藤さんが発信されることをどれだけ実現できるかが僕らの使命です。

近藤:すごく良いものができました。

田家:ジャケットの真ん中に丸い穴があって、そこが鏡になっていて手に取ると自分の顔が写る。これは近藤さんのアイデアだって1週目でおっしゃっていましたもんね。『禁じられた生きがい』は1990年の『家庭教師』から5年振りに発売になったオリジナルアルバムで、この時も福田さんが担当されていて。

福田:僕は『家庭教師』から始めて、このアルバムが出るまで5年ぐらい。ある意味辛抱の日々というか、才能がきちんと花開くのをひたすら待っていた時期で。その間にも、シングルも当然出ていますし、ライブもやっていましたから。とは言いつつも、岡村くんとの距離が離れた時代ではなく、むしろ僕がやっていた時期で言うと1番近くにいた時代だったような気がします。

田家:そんな話を追々伺えたらと思うのですが、近藤さんは『禁じられた生きがい』が出た時は東芝EMIのプロデューサーですよね。

近藤:この頃って小沢くんや布袋くんをやっていた時期で。曲だと「サレンダー」とか「ポイズン」、黒夢の「BEAMS」とか、高橋幸宏さんの『フェイト・オブ・ゴールド』っていうアルバムを持っていたりというセクションの制作部長をやっていたんです。

田家:『禁じられた生きがい』の記憶はおありになります?

近藤:ありますね。EPICソニーは業界の中でも友だちが多くて、その中でも話を聞いたりしてました。

田家:近藤さんがお作りになった去年のアルバム『操』はアルバムチャート2位で、岡村さんのキャリアの中で最高位だったのですが、今年は新曲も発売になりました。今日の1曲目は3月に発売になった岡村靖幸さんのシングル「ぐーぐーちょきちょき」をお聴きいただきます。

Rolling Stone Japan 編集部

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