I Don't Like Mondays.が語る変化の理由「人間性を出したかった」

ーバンドを因数分解して考えたわけですね。それによって何か気づいたことはありますか?

KENJI:自分たちがどう成長しているか、何かが変わってきたか、文字に起こして自分たちを理解するって他のバンドマンはあまりやらないですよね。「あ、自分たちってこうだったんだよな」ってちゃんと文字で分かるってすごく便利だなとあらためて思いました(笑)。文字に起こして、自分たちを見つめ直せたからこそ、今回のアルバムはできた曲がいっぱいあるんです。

SHUKI:その時の会議はアルバムタイトルを決めることがメインだったんですけど、そもそもこんな時期にアルバムに17曲も入れること自体クレイジーだなと(笑)。でも、「よく考えると変じゃない?」ってことを僕たちは皮肉っぽくやってきたなとも気がついて。



CHOJI:もともと僕らは初めましてでバンドを組み始めたので、「こういうバンドになりたいね」って話をたくさんして、1stアルバムの『PLAY』では遊び心を全面に出したんです。次の『TOKYO』では最先端なことをやって、『FASHION』は「バンドってファッションも大事だよね」ということを伝えたかった。今回のアルバムは、いよいよ人間性の部分を出したいと思ったんです。I Don’t Like Mondays.が培ってきた人間性が「MR.CLEVER」然り、アルバム・タイトルの『Black Humor』にすごくしっくりハマったんです。僕は井上陽水がすごく好きで、よく聴くんですけど、男性から見てもどこか力が抜けているというか、斜に構えている面がかっこいいなと思うんです。このバンドなら井上陽水のようなことをやれるという想いがあって。いろいろなタイミングが重なって、今回の『Black Humor』を出せたと思っています。

ーブラックユーモアは海外だと日常に溶け込んでいるイメージですが、日本においてアルバムの真意がちゃんと伝わるか不安はありませんでしたか?

YU:一般的に使われているブラックユーモアの概念は皮肉的だったり狂気的な笑いだと思うんですけど、僕らの『Black Humor』にはそういう要素もあるし、「MR.CLEVER」的な曲があったり多面性を込めているつもりなんです。ブラックユーモアで笑える人、笑えない人、何のことを表しているのか分からない人もいると思うんですけど、それでいいと思うんです。あくまでも僕らは作り手なので、受け手がどう感じるかは、その人自身の想像なので。ある意味、受け手を突き放しているんですけど、それでいいのかなと思っています。

Rolling Stone Japan 編集部

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