高田渡が探った自分のルーツ 佐久間順平とともに振り返る



田家:FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」高田渡特集Part4。今年が17回忌、永遠のフォークシンガー高田渡さんの軌跡を辿る1ヶ月。今週のゲストは、ヒルトップ・ストリングス・バンドのメンバー、マルチ弦楽器演奏者、シンガーソングライターの佐久間順平さん。今流れているのは、この番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。

改めて、さきほど流れた「風」とか「夕暮れ」を、高田渡さんにとっての孤独や自分の場所というのをどんな風に思っていたのかなと考えながら聴いておりました。当時の若者は、大学に行ったり辞めたりする人が多い中で、渡さんはお父様が極貧の詩人で、ご自身も定時制の高校に通い、印刷会社で働いたりしていた。学歴とは縁がないところに生活していて、フォークソングに出会った。フォークソングでなければいけないもの、音楽でなければ表現できないもの、音楽でないと味わえない喜びや幸せ、人と繋がれる幸せがあったんだろうなと思います。でも1980年代は、日本中がバブルに浮かれていた時代ですからね。

高田漣さんが以前他の場所で話していたんですが、バブルの時代のフォークソングはギャグだったというんですね。笑いものにされていた時代があった。その頃にフォークをやっていた人たちは皆孤独だったんじゃないかと語っておられました。その中で、高田渡さんはずっと歌い続けてきて、今日は晩年の話まで出たという時間でした。でも、時代が高田渡を求める。こういう混乱の時代だからこそ彼のことをあらためて思ったりするんじゃないかなと思います。順平さんは、自分のライブを続けていらして、7月18日には中津川で佐久間純平「鼓土里座」ライブも開催予定です。中津川フォークジャンボリーの流れから結成された人たちがやっているライブです。歌は歌い継がれていきます。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

Rolling Stone Japan 編集部

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