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2019年9月20日、米ネバダ州レイチェルで開催された「Alienstock Festival」にて。参加者の女性たち。(Photo by Mario Tama/Getty Images)



軽視された未確認飛行物体の映像

AATIPには、ネバダ州議員ハリー・レイドの強い要望を受けて予算が投じられた。レイドはナップ、そして不動産業で蓄えた資産を地球外生命体の研究に投じていた共通の知人、ロバート・ビゲローと連絡を取り合っており、この問題への関心を一層高めていた。

レイドは上院軍事委員会の有力者であるダニエル・イノウエとテッド・スティーヴンスに働きかけ、ビゲローが運営する未確認飛行物体の研究施設に2200万ドルを出資させた(空軍パイロットを務めた第二次大戦中にUFOを目撃して以来、スティーヴンスはUFOに大きな関心を寄せていたため、説得は容易だったという)。

エリゾンドはペンタゴンで、AATIPに取り組み続けた。海軍のパイロットたちが撮影した3つの未確認航空現象の映像を含め、彼は5年間にわたってデータを収集し続けた。中でも最も重要視されたのは、空母ニミッツに配備された航空機が捉えたTic Tac風の物体の映像、そして2015年に大西洋に派遣されていた空母ルーズベルトから出動した航空機が撮影したジンバルのような物体の映像だった。


2015年に撮影されたジンバル状の「未確認航空現象」の映像のスクリーンショット(Department of Defense)

エリゾンドはそれらのデータについて、国防長官の座に就いていたジム・マティスに報告すべきだと判断した。エリゾンドとメロンはあらゆる策を尽くしたが、彼との面会のアレンジを目的としたミーティングさえアレンジできなかった。マティスの側近たちはそのトピックを有害とみなし、国防長官が関わるべきではないと考えているようだった。

フラストレーションに耐えきれなくなったエリゾンドは、2017年10月に以下の内容の手紙を残して国防総省を去る。「国防総省は海軍やその他の機関の兵器を扱うプラットフォームを脅かす存在と、真剣に向き合うべきである。政治的論点がどうあれ、国を守る機関はその脅威を軽視したり無視すべきではない」

国防総省を去る前、彼はそこで管理されているパイロットたちが残した映像の機密扱いを解除した。一般公開される前に、それらの映像に含まれていた機密情報は除去された。

その後の展開はやや胡散臭い。国防総省を去ったわずか数日後に、エリゾンドはTTSAの一員となる。記者会見の場でデロングと同僚たちはエリゾンドと共に壇上に立ち、彼が加わったことでTTSAがいちエンターテインメント企業から、未確認航空現象の実態解明、そして地球外の技術を用いた航空機開発を目的とした研究機関および営利団体へと生まれ変わったと宣言した。UFO活動家たちはそのタイミングの良さに疑念を抱いた。

Translated by Masaaki Yoshida

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