全米UFOカルチャーDEEP案内【長文ルポ】

2019年9月20日、米ネバダ州レイチェルで開催された「Alienstock Festival」にて。参加者の女性たち。(Photo by Mario Tama/Getty Images)



「この宇宙のどこかに、他の生物が存在していると信じてるよ」

おもむろにRVのドアから入ってきたのは、緑のコーデュロイパンツと赤のベロアジャケットという服装の英国人だ。彼の姿を見て、ナップは本物の宇宙人に遭遇したかのように当惑している。彼の名はポール・オークンフィールド、言わずと知れたエレクトロニックミュージック界の大物DJだ。コーベルの秘密の友人の紹介によって2人は知り合ったというが、トレイラー内で立っている彼はやや困惑しているように見える。筆者はナップに、彼がハッピー・マンデーズの歴史的名盤『Pills ’n’ Thrills and Bellyaches』をプロデュースしたことを伝えたが、場の空気は変わらなかった。

オークンフォールドはこれまでに、中国の万里の長城からストーンヘンジまで、一風変わった場所で多数のショーをこなしてきたという。彼はUFOに興味があることを素直に認めた。「この宇宙のどこかに、他の生物が存在していると信じてるよ。そうじゃない方がおかしいだろ?」。彼はそう話す。

彼は少し表情を和ませ、ステージを指差してこう言った。「正直こんなに人が少ないとは思わなかったけど、いいショーにするさ」

コーベルは恥じ入っている。だがトレイラー内にいたある人物が、バーニング・マンの初開催時の来場者数は8人だったと述べると、彼は目を輝かせた。午後8時を回り、そろそろショーが始まる頃だ。

太陽は砂漠の彼方に沈み、涼しい風が砂塵を舞わせている。コーベルはステージに立ち、極端にタイトなグリーンのタイツに身を包んだ男を含む、彼の側近たちに目をやった。客席に移動して参加者を数えてみたところ、その数は約150人というところだった。その数字には売り子も含まれている。「我々の頭上では、謎の飛行物体が絶えず自由に行き来している」。風の音にかき消されないよう、コーベルは大声を張り上げる。その姿はまるで、酔っ払った異教徒の気を引こうとする旧約聖書の預言者だ。「彼らの持つ技術は、この国におけるどんなものよりも遥かに進んでいる」


2019年9月20日、米ネバダ州レイチェルで開催された「Alienstock Festival」にて。音楽に合わせて踊る参加者たち。(Photo by Bridget Bennett/AFP/Getty Images)

客の反応が鈍いことに気づいたらしく、彼は笑顔に切り替えた。「このイベントはこれから毎年開催される。今夜諸君らは、バーニング・マンの初開催に立ち会っているようなものだ」

Translated by Masaaki Yoshida

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE