BiSHモモコグミカンパニーとオノツトムが「写真」を通じて語り合ったこと

モモコグミカンパニーとフォトグラファーのオノツトム(Photo by Tsutomu Ono)



オノツトムらしさとモモコグミカンパニーらしさ

モモコ:オノさんの写真って普段どういう褒められ方をするんですか?

オノ:俺の写真って「なんかいい」っていうのは、みんなよく言ってて。「雑誌を見てツトムっぽいなと思ってクレジット見たらそうだった」みたいなことはよくあって。たぶん俺の写真って人から当てられやすいんですよ。それを自分で説明するのってすごく難しいんだよな~。自分の無意識でやってることだから。

モモコ:オノツトムっぽいって何っぽいって思いますか? 言葉で表すと。

オノ:ドキュメンタリーっぽいか、生っぽいか、エロっぽいか……。ものすごい客観的な部分があるかな。じゃあ、同じような質問をすると、モモコグミカンパニーらしさって何なんですか?

【画像】オノツトムが撮ったBiSHモモコグミカンパニー(写真8点)

モモコ:対談らしくなってきた(笑)。私は自分のことを中性的な感じだと思ってるんです。男っぽくもなく、女っぽすぎるわけでもなく。グループでも真ん中。女の子が好きとかそういうことではないんですけど……。媚びたくないし、カッコつけすぎたくないし、っていう中性的なところを目指してます。大人でもなく、子どもでもなく、女でもなく、男でもなくみたいな、そういう曖昧な感じを目指してる。それを無理やりやってるわけじゃなくて、そういう人が好きなんですよね。

オノ:自分の居場所を確かめる方法っていろいろあると思うけど、俯瞰して見たときに、自分がどこにいるかだったり隣に誰がいるか、その場所には先に誰がいるかとか、いろいろ比較していくと自分の居場所がわかったりするじゃないですか。

モモコ:私、BiSHで写真撮るときに「自由に6人並んでください」ってよく言われるんですけど、自分は真っ先に真ん中に行くタイプじゃなくて、バランスを見て「ここにいたほうがいいかな」と思って行くタイプなんですね(笑)。そういう感覚がいつもあるかもしれない。

オノ:比較して自分の場所を探してるんじゃない?

モモコ:そうですね。隙間を見つけるのが得意かもしれないですね!

モモコ:オノさんはこれからもずっとカメラを持ち続けたいと思ってるんですか。

オノ:カメラ持ち続けることしかできないでしょう!(笑)。カメラ、写真……が楽しいもんね。他の仕事をするより。

モモコ:どんな写真をこれから撮っていきたいとかありますか?

オノ:うーん……写真って、アート的な作品と商業的な作品と二つあると思うんだけど、アートコンテンポラリーな写真を撮る人たちと、俺みたいに商業の写真を撮る人たち、もっと広告寄りの写真を撮る人たちもいる。そのなかで、アートと商業が自分の中で重なってきてるというか、自分が今まで撮ってきた写真が例えばどこかで展示されて、アートに昇華したらいいなって。アートって言ったら変だけど。

モモコ:どれがアートなのかって難しいですよね。アートって言ったら全部アートになってしまいそうな気もします。最後に、オノさんはBiSHの面白さってどういうところに感じますか?

オノ:何でもアリだからいいんじゃないのかな? あと写真を撮るときもNGがないというか、リンリンのときも、夜の繁華街でめっちゃ撮ったけど、あれをダメです!って言わないから面白いじゃんって思う。

モモコ:そう思ってくださってるのすごくうれしいです……。

オノ:カメラマンだったら自由に撮りたいと思うもん。

モモコ:私たちは何でもやります!って意識したりすることはまったくないので、言われるまであんまり気づかなかったです。そういえば、制限ないなって。

「なんかいい」「なんか好き」の「なんか」を言葉にして説明するのは時にすごく難しい。しかし、その「なんか」に物事の本質が詰まっているのかもしれないとオノさんと話しているときに思った。私は言葉が好きだが、説明するのに言葉だけではどうしても足りないことがある。たくさんの言葉で補って、表現しようとしてもそれは結局「なんか」ではなく言葉の寄せ集めでしかないことに気づく。本も物も音楽も写真も、きっとそのうまく言葉にできないけれど確かに存在している「なんか」を一生懸命表現しようとしているのだろうと思う。この世のすべてを簡潔に一言で表現できれば気持ちが良いかもしれないが、なぜか私は説明のつかない気持ちの悪い「なんか」の方にいつも惹かれてしまうのだ。


Photo by MOMOKOGUMi COMPANY

オノツトム
東京生まれ。Studio FOBOS勤務後独立。
http://tsutomuono.com/



Photo by Tsutomu Ono

モモコグミカンパニー(BiSH)
https://twitter.com/gumi_bish
“楽器を持たないパンクバンド”BiSHのメンバー。結成時からのメンバーで最も多くの楽曲で歌詞を手がける。読書や言葉を愛し、独特の世界観を持つ彼女が書く歌詞は、圧倒的な支持を集め、作詞家として業界の評価も高い。2018年3月に初の著書『目を合わせるということ』を上梓。2020年7月現在第14刷と異例のベストセラー。BiSHとして、2020年7月8日には、ライブハウス、CDショップ支援を目的とした初のベストアルバム『FOR LiVE -BiSH BEST-』、7月22日にはメジャー3.5thアルバム『LETTERS』を発売。 2作連続となるアルバム週間1位を獲得。
https://www.bish.tokyo/

Edited by Takuro Ueno(Rolling Stone Japan)

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