エルヴィス・プレスリーの1950〜60年代、ロックからポップへの移り変わりを聴く

映画というのはエルヴィス・プレスリーのキャリアの中でとても重要な地位を占めているわけですが、位置付け方が変わってきているなというのが『G.I. Blues』以降の映画なんですね。1960年代、アメリカのポップミュージックも多国籍化しておりました。イタリアの民謡が歌われておりました。お聞きいただくのは1961年のNo.1ヒット「Surrender」、2曲目はこれは残念ながら4位だったんですが、私は大好きだった曲。「マリーは恋人」。




「Surrender」というのはご存知、ナポリ民謡の「帰れソレントへ」。これは1位になったのは1961年3月なんです。1961年というのは10月にアメリカで『ウエスト・サイド物語』が公開された年ですね。ポーランド系の移民と、プエルトリコ系の移民がマンハッタンで対立するという青春映画、ミュージカルでしたが、移民の人たちの間でのある種の縄張り争いみたいなことがひとつの社会問題化してくる時期でもあったと考えると、エルヴィスがいろんな民謡を歌っていたというのも、音楽でそういう対立を乗り越えようとしたと考えることもできるのではないかと改めて考えたりしました。

Rolling Stone Japan 編集部

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