エルヴィス・プレスリーの1950〜60年代、ロックからポップへの移り変わりを聴く




J-POP LEGEND FORUM "番外編""全てはエルヴィスから始まった"パート2。サブタイトルをつけるとすればロックからポップへ。そういう時期ですね。1960年4月発売、除隊第一弾シングル「Stuck on You」=「本命はお前だ」。そして2作目1960年7月発売「It’s Now or Never」。イタリア民謡「オー・ソレ・ミオ」のカバーということになりますね。当然のように両方とも1位でした。

お分かりいただけましたでしょうかね。50年代の曲と、60年代になってからの2曲、明らかに違う。何が違うか。さっきの言葉を使えば、野卑な淫らさというのが消えました。激しさというのもかなり薄くなっていますね。聴いた感じが変わったのは、レコーディングが変わっているんですよ。さっきまでお聴きいただいたのはモノラルなんですね。ここからステレオになるんです。やっぱりポップ・ミュージックはそういうハードウェア、テクノロジー、録音技術の変化とともに変わるという良い例ですね。聴いた感じが全然違いますね。バランスがよくなっている。

写真も50年代のエルヴィスの、どこか斜に構えたジェームス・ディーンを意識したような感じが全然なくて、目元もキラキラして、涼しげな笑顔がきれいな好青年というそういうジャケットのアルバムが出ましたね。さっき「闇に響く声」、50年代最後の映画の話もしましたが、この2曲のあとに映画が公開されるんですね。それが変身エルヴィス、ニュー・エルヴィスというのを証明しておりました。60年11月に公開された映画が『G.I. Blues』。その映画の中で歌われた曲を2曲お届けします。タイトル曲「G.I. Blues」と50年代に歌っていたロックンロールのスタンダード「Blue Suede Shoes」。

Rolling Stone Japan 編集部

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