エルヴィス・プレスリーの1950〜60年代、ロックからポップへの移り変わりを聴く



FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」番外編"全てはエルヴィスから始まった"Part2。ロックからポップへ。今年が亡後45回忌、エルヴィス・プレスリーの軌跡を辿っています。今流れているのは、番組の後テーマ曲、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。

1960年代のはじまり、日本も高度成長が幕を開けました。黄金の60年代という言葉がしきりに使われた時代。テレビが普及しました。1959年6月から「ザ・ヒットパレード」がはじまって、日本語で洋楽のヒット曲を歌うというカバー時代が訪れるわけですね。漣健児さんという訳詞家が一時代を築きました。日本語で歌うエルヴィスというのが、そういうテレビ番組を通じて入ってきたりするんですね。でも『G.I. Blues』はアメリカで公開されたのが1960年で、日本では61年でしたからね。すぐには公開されないというタイムラグがあった。そんな時代です。

1960年代前半のエルヴィスというのは、当時のポップスファン、僕もそうだったんですが、いろいろなことを教えてもらいました。最後にお聴きいただいた「マリーは恋人」のリズム。ダンダダンダダ、ダンダダンというあれは、ニューオーリンズに伝わる土着的なガンボというリズムですね。ボ・ガンボスというグループがいましたね。「闇に響く声」というのは、かなりそちらに寄った映画で、エルヴィスもそういう音楽を歌う人だった。そういう音楽的な情報は当時、まったく教えてくれる雑誌もなければ、場面もなければ、僕らはエルヴィスの歌を通じて情報より先に音として耳に入っている。80年代、90年代になって、日本でニューオーリンズの歌はこうだと話を聞いたときに、エルヴィスがやっていたなとか、あの曲のリズムだというふうに改めて彼の大きさを知るという音楽体験でもありました。60年代のエルヴィスというのはそういういろんな音楽を紹介してくれたとっても大きな存在で、その中にハワイもあったんです。これが来週です。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

Rolling Stone Japan 編集部

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