1970年代から現代まで、LGBTQを讃える名曲26選


ピーチズ「ファック・ザ・ペイン・アウェイ」(2000)

カナダのダーティな性の賢者からの、良きアドバイスだ。ローランドMC-505の助けを借りて、バイセクシャルであり、演劇教師からラッパーに転身した彼女は、2000年にリリースした『ティーチズ・オブ・ピーチズ』で、この上なくえげつないディスコ・ミュージックを確立したのである。「ファック・ザ・ペイン・アウェイ」はとてもチャートに入れられるような曲ではないが、『サウスパーク』から『30 ROCK/サーティー・ロック』といったTV番組から『ロスト・イン・トランスレーション』まで、一度耳に入れば離れない、嘘だらけの歌詞がしっかりと世の中に浸透している:「私を求めたら良い/ブロンディのようにね/ クリッシーもチェックして/いつだっていいから」。この曲はマドンナがジムでワークアウトをする際のお気に入りの楽曲として挙げており、ロンドンで踏んだ舞台『アップ・フォー・グラブズ』でもこの曲を使用した。2003年にガーディアン紙がピーチズに行ったインタビューによると、彼女は感謝の証として、マドンナとガイ・リッチーにサイン入りパンティーを送ったと言う。「下着にサインをしたんだよね」と振り返る彼女によると、「“親愛なるガイへ。ファックは後で。愛を込めて、ピーチズ”っていうのと、マドンナには“親愛なるマドンナへ。今すぐファックしましょう。愛を込めて、ピーチズ”って書いたよ。クールでしょ」とのこと。

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ「ウィッグ・イン・ア・ボックス」(2001)

もしこのリストにミュージカルの楽曲も入れるとするなら、『ヘドウィグ』のオリジナル曲を選ぼう。ベルリン出身のトランスジェンダーであるロックシンガーに焦点を当てたこの作品は、ブロードウェイ・ミュージカルにおいてアイコニックな存在であり、映画作品としても名高い。主演のミッチェルは、ニューヨークのドラァグ・クラブであるSqueezeBox!で、ヘドウィグとして知られるキャラクターを生み出した。ハウスバンドのリーダーであり、ヘドウィグの楽曲製作者であるステファン・トラスクの助けを借りて、ミッチェルは1994年、SqueezeBox!でヘドウィグをデビューさせる決意がついた。彼の最初のウィッグはペーパータオルと接着剤、ホチキスによって支えられていた。「ドラァグもやったことがなかったし、ロックバンドと歌ったことも無かったんだ」と、ミッチェルはローリングストーン誌に語った。「まるで洗礼を受けているようだったよ。僕がやっていたことは、すべてヘドウィグのサポートのためだった。 コメディをやったり、そのお金をウィッグと衣装作りに使っていた。」

リンプ・リスト「アイ・ラヴ・ハードコア・ボーイズ/アイ・ラヴ・ボーイズ・ハードコア」(2001)

汗まみれの革ジャンに身を包んだアメリカン・ハードコアバンド、リンプ・リストは90年代後半のクィアコア・ムーヴメントにおける最前線で活動していた。 敬虔なストレート・エッジであること、誇り高いホモセクシュアルであること、そして薬物禁止を掲げる彼らのスタンスは、バーやクラブ、そのほか中毒性の高い場所がLGBTQの避難所的な役割を担っていた時代に、バンドの存在を際立たせた。フロントマンのマーティン・サロンドギーは、ラテン系バンドのロス・クルードスに在籍中、カミングアウトをした。彼にとっても、「アイ・ラヴ・ハードコア・ボーイズ/アイ・ラヴ・ボーイズ・ハードコア」が2001年にリリースされた際はカタルシスを覚えたと言う。「俺は80年代、カミングアウトすることは無かったんだ」と、Portland Mercury紙に明かしたサロンドギー。「当時、クィアの連中を見かけたと時のことを思い出す。その時はナーバスだったよ。中には暴力的な人たちもいて、怖かったんだ。俺がゲイであることに積極的になろうとした時、それが心地よいと感じるのにも、カミングアウトするのにも、時間が必要だった。今は何が起きたとしても、心の準備ができているよ」

Translated by Leyna Shibuya

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