「ただ楽しい」が最強の理由、SILENT SIRENの音楽に宿る信念

―以前、「日本一のガールズバンドになりたい」って言ってましたけど、その後、状況はいろいろ変化していて、今やガールズバンド云々っていうくくり自体に違和感があるんですよね。そういうのを抜きにしてもサイサイは唯一無二だと思うんです。

ひな:ナンバーワンじゃなくてオンリーワン。まあ、そうですね。確かに解散しちゃうバンドもいますし。お客さんはガールズバンド枠で好きなわけじゃなくて、その人たちの音楽性とか人間性が好きなだけなんですよね。まあ、今でも1位になりたいとは思ってますけど、確かに前ほどガールズバンドだからどうこうっていうのはなくなったと思います。

―サイサイはガールズバンドとの対バンがないし、そもそも“ガールズバンドシーン”っていうものすらないですよね。

ひな:ポピパちゃん(Poppin’Party)に関しても、自分たちとは全然違うところにいると思ってたから関われることはないと思ってたけど、今回は異種格闘技戦みたいな感じでやれることになって。そういうのって面白いじゃないですか。そうやってどんどん新しい風を吹かせていったほうがいいですよね。10年目に入ることだし、いろいろ挑戦したい。

―ポピパとメットライフドームはヤバいですよ。

ひな:2日間で6万人も集まりますからね。

あいにゃん:ポピパちゃんはライブの規模がすごいので、新しいファンを獲得できるチャンスだなってすごく思ってます。

―でも、過去最大のアウェイじゃないですか。

ゆかるん:アウェイ……ですかねえ。

あいにゃん:でも、ポピパのライブ自体は、昔のサイサイを見てるような感じなんですよ。

ゆかる:ポピパちゃんのメンバーも「サイサイのライブ映像を観て参考にさせてもらいました」って言ってくれてて。だから、ライブを観たらポピパちゃんのお客さんも私たちのことを受け入れてくれるんじゃないかなと思ってます。

ひな:今回の対バンのニュースが載ってる新聞を見たら、ポピパのメンバーの愛美ちゃんが「憧れの大先輩サイサイさんと対バンできてうれしいです」って話してくれてて、その隣にある私のコメントが「バッチバチにいかせてもらいますから!」っていう。

一同:(笑)

あいにゃん:ヤバい! イヤな奴イヤな奴(笑)。

ひな:でも、ポピパちゃんはすごく人気があるので、うちらにとってはかなりチャンスだし、しかも私たちのツアー中にこのライブがあるので、タイミング的にも最高なんですよ。

―では、新作「31313」の話に移りたいと思います。

ひな:今回は、合宿をして4人だけで作った曲(「渇かない涙」)とか、10年以上前からの友達であるひろせくん(ひろせひろせ・フレンズのメンバー)と一緒に作った曲(「Letter」)とか、インディーズの頃からずっと出したかったバースデイソング(「Happy Song For You」)とか、タイアップ曲(「Go Way!」)とか、これまでやりたいと思っていた様々なことができるようになったのがうれしいですね。

―なるほど。

ひな:あとは、「恋のエスパー」も振付と掛け声がある、いかにもリード曲って感じのものにできたし。振付とか掛け声がある曲って、葛藤があった時期もあったんですけど、だんだん「それこそがサイサイらしい」ってなっていったんですよ。だから、元々自分たちにないものだったとしても、何度も擦っていくうちに「らしさ」として形成されるんだなっていうことを今回感じましたね。

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