「ただ楽しい」が最強の理由、SILENT SIRENの音楽に宿る信念

―最初の頃は自分たちのことをバカにしてる奴らを見返してやろうという気持ちもあったと思うんですけど、今もそういう悔しい思いや怒りをパワーに変えている部分はありますか。

すぅ:個人的には怒る要素が前よりも増えた気がする(笑)。悲しかったり悔しかったりすることも未だにあるし、それが原動力になったりもするんですけど、それ以外にも「楽しんでもらいたい!」っていう気持ちもあって。前は自分たちのことしか考えられなくて、ライブにお客さんが初めて10人集まったときも、その人たちが喜んでくれてるからうれしいんじゃなくて、自分たちがただただうれしかっただけだったんですよね。だけど今は昔よりもたくさんの人たちが来てくれるようになったことはもちろん、みんな仕事が大変だったり、つらいこともたくさんあるだろうに、サイサイの曲を聴いたり、ライブに来ることで元気が出たって言ってくれて、そういうもっと深いところまで含めてうれしくなれるようになった。

ひな:これまでは自分たちの弱点みたいなところにばっか目を向けてて。例えば、読モ出身だとか、弾いてなさそうって言われたりだとか、ネガティブな受け止められ方をしてた時代があったけど、今はもうそういう状態は乗り越えていて。だって他のバンドにも弱点はあるんだろうし。例えば、演奏を見ながら「ドラムとベースが全然目ぇ合わせないから、あのバンドはたぶん仲が悪いんだろうな」とか思ったり(笑)。

―あはは!

ひな:でも、人間関係ってすごく大事なんですよ。「バンド解散語録」みたいな本があって、これまで解散したバンドの解散理由をまとめたやつなんですけど、解散した理由のほとんどは人間関係のトラブルなんですよ。そういうのを見ても、バンドって人間関係が本当に大事だと思うんですよね。うちらのメンバー間もそうだし、スタッフ、お客さん、周りのバンドとの関係もそう。

―確かにミュージシャンでも人間関係はかなり大事ですよね。

ひな:ひょんなことから対バンが決まるのも音楽性を飛び越えた人間関係がきっかけになることもあるし。今度、Poppin’Partyとメットライフドームで対バンするんですけど、うちらもいつかドームでやりたいとは思っていたけど、まさかこんな形で実現するなんて思ってもいなかったし、しかもPoppin’Partyっていう、前から「すげぇなあ」って思ってた人たちとの対バンで。だからバンドって何があるかわからなくて楽しいなあって思います。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE