戦後のガールポップ誕生伝説、伊東ゆかりと語る江利チエミ



田家:伊東ゆかりさんが選ばれた江利チエミさんの4曲目、1974年発売「酒場にて」。作詞が山上路夫さんで作曲が鈴木邦彦さんですね。この曲の思い出というのは。

伊東:チエミさんがこういう歌謡曲っぽい曲を歌ったのがすごく新鮮で。チエミさんのこの歌い方が好きですね。

田家:気になる人って感じではありました? 江利チエミさんは。

伊東:江利チエミさん、雪村いづみさん、美空ひばりさん、初代の三人娘。私たちが2代目みたいな感じで三人娘でしたけど、私はその中では江利チエミだと思っていました。自分の中でそう思ってました(笑)。

田家:僕は中学生か高校生だったんですけど、三人娘の中で伊東ゆかりさんは洋楽の人の感じがしたんですよ、中尾ミエさんはタレントさん。園まりさんは演歌っぽい歌謡曲。やっぱり伊東ゆかり違うよなっていうはありましたね。

伊東:自分ではとにかく三人娘の中で私は江利チエミさん、洋楽ではコニー・フランシスさんと思っていましたから(笑)。

田家:先週「小指の想い出」を歌いたくないっておっしゃったのは歌謡曲だと思ったからっておっしゃったでしょ。あれが、ものすごく納得できたんです。

伊東:でも「酒場にて」と「小指の想い出」って全然違いますよね。「酒場にて」の方がポップス系な感じしません?

田家:そのアーティストがこう変わるって意味では近いものがあったりするのかもしれないです。

伊東:チエミさんはもしかしたらこれ抵抗したのかなと思うんですけど、どうなんでしょうね(笑)。

田家:キングレコードの皆さんいらっしゃらなくなりました。チエミさんが亡くなったときはどう思われました? 82年45歳のとき。

伊東:亡くなったとき、ちょうど私ドラマのお仕事をしていて、亡くなったことを聞いて、ドラマの格好で自宅の方にお焼香に伺わさせていただきました。

田家:やっぱりつらいものがありました?

伊東:自分は江利チエミさんだと思ってたから、なぜ?みたいな。亡くなりかたもちょっと寂しい感じだったからショックでしたね。

田家:来週もよろしくお願いします。

伊東:こちらこそ、よろしくお願いします。


左から、伊東ゆかり、田家秀樹

Rolling Stone Japan 編集部

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