SawanoHiroyuki[nZk]が語る、2022年の音楽活動、ASKAとのコラボ、エアロスミスの話

2023年の展望

―さて、今年はどんな一年にしたいですか?

その時々に進めているプロジェクトを広げていくという意味では毎年変わらないんですけど、特に今年はSennaRinやNAQT VANEというプロジェクトをより広げていかないといけないと思ってるので、そことどう向き合っていくかが大事だと思っています。ただ、劇伴も[nZk]もそうなんですけど、ひとつひとつ楽しみたいですね。あまり気負わず、せっかくやるなら変にストレスを抱えたり、しかめっ面しながらやるんじゃなくて、「これが楽しい」って思える環境や音楽をつくっていきたいですね。そして、それをまた次の年につなげていけたらと思ってます。

―劇伴作家っていうとすごく職人的でストイックな印象なんですけど、澤野さんの場合はどうなんですか?

たしかに曲をつくってるときにはある種のストイックさはあると思うんですけど、何をストイックととらえるか人によって違うと思ってて。例えば、一度つくった曲に対してこうじゃないああじゃないって悩むこともストイックと捉えられるけど、僕の場合はポンポン進めていっちゃうというか。「こんな感じでいいんじゃね?」とか「楽しいからこれでいいじゃーん!」みたいな。

―へぇ~!

もちろん、どうしようかなってなる瞬間もありますけど、基本的にはいま話したような感じで進めていっちゃうのでそこに関してはストイックじゃないと思われるかもしれないけど、音楽をつくることに集中するという意味ではストイックかもしれないですね。でも、「あなたはストイックですか?」って聞かれたら、「いや、それほどでもないと思いますけどね」って答えちゃいますね。

―澤野さんって自分の内面にあるものととことん向き合っていくというよりも、外からの刺激を積極的に取り込んでいくタイプなのかなと思いました。

そういう面はあるかもしれないけど、それは自然とそうなっていったって感じですね。自分のスタイルを崩したくないっていう保守的なところもあるとは思うんですよ。でも、それと同時に飽き性なところもあるので、自分が飽きないために自然とそういうことをやってる部分はあるかもしれないですね。[nZk]にしても最初の1、2枚目ぐらいまではロックサウンドを突き詰めたかったのでそこに集中したかったんですけど、さらにそれを追求した上で今があるかというとそうではなくて、途中からデジタルでダンサブルなサウンドをやりたくなっていったし、今回もロックよりもEDMとかシンセを押し出したサウンドになったので、自分が面白いと感じる方向に流れているところはあるかもしれないですね。

<INFORMATION>


『V』
SawanoHiroyuki[nZk]
ソニー・ミュージックレーベルズ
発売中

・配信リンク
https://nzk.lnk.to/V__

1. IiIiI
2. FAKEit
3. LEMONADE
4. B∀LK
5. 7th String
6. OUTSIDERS
7. Hands Up to the Sky
8. LilaS
9. Avid
10. COLORs
11. 地球という名の都

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