森山良子が語る自身の歌手活動、1974年から1983年まで



田家:作詞片桐和子、作曲森山良子。曲を書かれている時は歌のことも想定されているわけでしょ?

森山:そうですね。下手なギターを弾きながらやっているわけですから(笑)。こんなふうにフレンチな曲になるとは思っていなかったので、ゴードンとのレコーディングでしたからね。

田家:この曲の入ったアルバム『セ フィニ ~愛の幕切れ~』は全11曲で、A面5曲は作曲が良子さんオリジナルでゴードン・ジェンキンズ作曲が4曲入っているアルバムでした。

森山:ゴードンもとっても素敵な曲をいっぱい書いてらして、ゴードンの曲を歌えたのがすごくうれしかったですね。

田家:ブックレットにはこのアルバムのキャッチコピーがありまして、ポップスの名盤ついに完成! あの「ゴードン・ジェンキンズと再び 歌手生活15周年記念盤」というのが当時帯についておりました。

森山:ということは40年前ということになりますね。本当に一生ゴードン・ジェンキンズのそばにいたいというくらいで。クリスマスアルバムを録ってから、この人とまた来年もやりたいという思いが強すぎて、次も絶対ゴードンとやるということで行ったらすごく喜んでくれて。お歳もだいぶ上だったので、最後にお別れする時は別れたくないんですよね。レコーディングが全部終わってジャズクラブに行って、ゴードンのピアノも聴いたりしてお別れをする時に私が車を追っかけていきたいような気持ち。涙が出てきちゃって、そしたらゴードンもポロポロと涙を流して「もうあっち行け! うるせえ!」って感じで(笑)。でもその後に僕と君の間にはエレクトリックショックがあったねーというすごく長いラブレターのような温かいお手紙をいただいて。あ、私だけが思っていたんじゃなくて、ゴードンもそういう気持ちだったんだって。それももしかしたらプロデュースの一環だったのかもしれないとも思えるんですけどね。だから本当にいい出会い、いっぱいいろいろなものをいただいたなと思います。

田家:15周年、40年前です。来週はDisc5とDisc6からお送りしようと思います。

森山:よろしくお願いします!

Rolling Stone Japan 編集部

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