コロナ禍に誕生したロックバンド、Midnight 90'sが語る「僕」や「君」を描かない理由

Midnight 90's

東京を拠点に活動する4人組ロックバンドMidnight 90’s(ミッドナイト・ナインティーズ)が2022年12月24日に1stミニアルバム『Night Ryder』を発売する(タワーレコード限定販売)。90年代後半生まれのメンバーで2021年に結成され、The Strokesの曲名をモチーフにしたバンド名を冠する彼ら。『Night Ryder』に収録された楽曲は、一聴すると奇を衒わずストレートな楽曲、演奏にスタンダードなロック、ポップスだが、繰り返し聴くうちに独特の世界観がにじみ出る歌詞とサウンドとの絶妙な“ズレ”のようなものが気になってくる。

佐久間 龍之介(Vo.Gt)名雪 光星(Gt)の2人に、バンド結成の経緯から2022年12月17日に下北沢近松で行われた初めてのワンマンライブ〈Midnight 90’s ONEMAN LIVE「巣立ちの朱鷺 音楽は死なず」〉のこと、さらに“ギターソロ飛ばして聴く問題”についてもどのように思っているのか訊いてみた。

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―Midnight 90’sを結成する前には、それぞれどんなことをしていたんですか?

名雪光星(Gt / リーダー):僕はもともと楽器はやっていたんですけど、バンドはMidnight 90’sがほぼ初めてです。最初は僕とベースとドラムで始めて、ボーカルを探しているときに、たまたま佐久間と出会って、一緒にやることになりました。

佐久間 龍之介(Vo.Gt):僕はずっとスケートボードをやっていたんですけど、コロナで外出禁止になっちゃったので、家でできる遊びを探しているときに、「ちょっとギターをやってみようかな」ってギターを始めてからバンドの音楽を聴くようになって、曲も作るようになったんです。それをYouTubeに投稿していたら、名雪君と出会ってバンドに加入することになりました。

―ネット経由で知り合って結成するというのが今っぽいですね。佐久間さんは急にギターを始めたみたいですが、「この曲を弾きたい」みたいなことはなかったんですか。

佐久間:とりあえずカッコイイことをやりたいなと思って、「まずギターかな」って。ピアノだと大きくなっちゃうんで(笑)。

名雪:ははははは(笑)。僕はもともとサッカーをやっていたんですけど、音楽はすごく好きだったので、大学に入ってから新しいことをやってみようと思って軽音サークル入ったのがきっかけです。

―最初に会ったときはどんな話をしたか覚えてます?

名雪:最近はバンドの話もよくするようになったんですけど、佐久間君と会ったときはまだ彼がギターを始めて2年目ぐらいだったので、僕が自分の好きなバンドを教えたりしていました。

佐久間:その頃から、全然知識もないまま本当に見様見真似で「この曲のコードを使ってみよう」とか適当に曲を作ってました。ちゃんとした曲になってなかったんですけど(笑)、曲になったことが嬉しくて、それを誰かに聴いてもらいたいっていう承認欲求みたいな気持ちでYouTubeに上げていたところ、名雪君に見てもらったんです。

―名雪さんは、YouTubeで見たときにどこが気に入ったんですか?

名雪:オリジナルの曲はそこまで聴いてなかったんですけど、Vaundyのコピーとかをしていたのを聴いて、すごく声が良いなと思いました。佐久間も自分たちがネット上に上げていたトラックを聴いて気に入ってくれて、スタジオに入ったのが最初ですね。

佐久間:最初は、アジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)の曲をやった覚えがあります。

名雪:自分が、アジカンの「N.G.S」をやろうって言ったんです。そういう感じのギターロックをやろうっていう思いがあった気がします。

Rolling Stone Japan 編集部

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