安部勇磨が初のソロアルバムを語る 「無駄な音を排除しない」曲作りとは

安部勇磨



ソロ・プロジェクトをはじめた理由

─実際の作業のスタートはいつからだったのですか?

安部:レコーデイング自体は去年の3月くらいで。その時にはもうDYGLの嘉本(康平)くんとかD.A.N.の(市川)仁也とかと一緒に、いつもネバヤンで使っているスタジオに入って……コロナちょっとヤバいよね、みたいな時でした。2月くらいにはもう曲を作ってて、デモみたいなのだけじゃなくてちゃんと録りたいよね、みたいな感じになってたんです。ただ、その時はアルバムを作るとか決めてなかったし、とりあえず今ある曲をちゃんと生のドラムで録ってみようって感じでした。

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─ソロという構想自体はかなり前から?

安部:ネバヤンの4枚目『STORY』(2019年)を作り終えたあとくらいですかね。今までいろんなことやってきたな、とか、こういう音を録音してきたな、とか振り返ったりしている中で、改めてやりたいことが出てきたんですけど、それはバンドでやることなのか、それとも別の形なのかってことで少し考えちゃって。で、それはバンドでやることじゃないんじゃないかなって思えてきたんです。ネバヤンの曲も短いものが多いですけど、こっちはさらに短かったりもしたし。それに、人に聴かせるつもりもなく「これでいいや」くらいに作れたのがとても楽しかったんですね。ネバヤンだと少なからずもっと力が入るし、お客さんに聴いてもらうことを想定して、ライヴだったらどうやってやろう? ってことも考えちゃうんですね。でも、今回作っていた曲は僕の独り言みたいなところがあって。それをバンドメンバーに演奏してもらうのはなんか違うな……って。

あと、今回アルバムでギターを弾いてくれているデヴェンドラみたいに僕は海外の音楽で好きなものも多くて、でもそれって日本で聴かせる音楽と何か違うかもしれない、っていうのもあった。だったら余計に今回は自分で、ソロで、やってみようって思ったんですね。しかも、ちょうどコロナ禍になって時間もできた。だったら家にいてネガティヴなこと考えてしまうならソロとして作っちゃおうって感じだったんです。

─『STORY』と言えばメジャーからの2作目でもあり、バンドとしてのスケール感が試された作品でもあった。

安部:そうなんです。メジャー行って楽しいな、やりがいあるなって思う部分もあれば、いろいろ考えてやらなきゃいけない部分もあって……。そういう中で、僕、アメリカ……LAに2回くらい行って……最後は去年の1月、コロナが世界的流行になる本当にちょっと前なんですけど、そういう体験も大きかったと思います。去年1月に行った時は、『Light in the Attic』から出た『Kankyō Ongaku』(日本の環境音楽、ニューエイジなどを集めたアメリカ制作のオムニバス)とかの制作に関わった北沢(洋祐)さんと初めて会ったり、アンビエント音楽のレコードをたくさん買ったりして聴くようになったりもして。シンセサイザーの気持ちいい音や環境音楽に、より興味が出てきたんです。実際、細野(晴臣)さんの作品にもつながるものがあったりするじゃないですか。自分でもまだその領域はやったことがなかったからすごくやってみたくなって。そうしたらますますバンドでやるんじゃなくてソロでやった方がいいなと思えてきたんですよね。コロナ禍で歌のある音楽を聞けなくなってしまっていたというのもあったと思います。

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