安部勇磨が初のソロアルバムを語る 「無駄な音を排除しない」曲作りとは

「録音よりミックスのが全然難しいじゃん!」

─サウンド・プロダクションや録音のバランスなどは手探りだったと。

安部:そうなんです。今回はまだ“ただこういうことをやってみたい”ってところで作り上げたので。だから、正直、音質とかミックスは次に課題を残したって感じです。

─一応、マスタリングは小鐡徹さん(日本屈指のベテランのマスタリング・エンジニア)ですよね。ネバヤンはともかく、この音で小鐡さんにお願いしたのか~と正直ビックリしました(笑)。

安部:(大爆笑)いやあ、実は小鐡さんに僕3回“やり直した方がいい”って言われてますから(笑)。

─(笑)

安部:信頼関係がある人にしかマスタリング頼みたくなかったから、小鐡さんならずっとやってもらってるから……と思って。でも、まあ、さんざん言われましたよ。“音が細すぎる”って。今回、4曲のミックスを細野さんにお願いして、それ以外を僕が自分でやったんですけど、細野さんがミックスしたのはもちろんいいとして、僕がやったのは“話にならないですね”って(笑)。もうここでは言えないようなことを言われて落ち込んで(笑)。塾へ行きたくない子供みたいになっちゃった。マスタリングもう行きたくないみたいな(笑)。結局、やり直しをしたんですけど、何度やってもダメ。最終的に小鐡さんには“これでいいんですか? 後悔しませんか?”とまで言われたけど、もうその範囲でやってもらいました。後悔したら後悔したで自分のためになるんで。とりあえず自分のダメなところを今後に生かしたいし、こういうのがもしかして面白いかもしれないから、とりあえずお願いします、と。小鐡さん、“安部くんがいいならいいですけどね”って(笑)。僕もうハゲそうですって(笑)。録音よりミックスのが全然難しいじゃん!って改めて思いました。だって、細野さんにミックスやってもらった「おまえも」を自分のiPhone8で聴いたんですけど、これがすごいよかったんですよ。ミックスでこんなに変わるんだ!って。



─細野さんにミックスをやってもらった4曲(「おまえも」「さわってみたら」「ありがとさん」「さよなら」)はどういう基準でお願いしたのですか?

安部:自分では手に負えない4曲です(笑)。まあ、すべての曲が手に負えなかったんですけど(笑)。で、あがってきたものが、すごい深くて距離感があって感動して。あまりに素晴らしかったんで、思わず“どうやってミックスしたんですか?”って会った時に聞いたら、“ん? わかんない”って(笑)。これはもう背中を見て自分で学ぶしかないなって。

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