ロス・ビッチョスが持つクンビアとロックのフレンドリーな関係 鳥居真道が考察

『Cumbia Cumbia』や『Roots Of Chica』に収められたグループたちとロス・ビッチョスとの大きな違いは編成にあります。現地のクンビアは民謡クルセイダーズのような編成のグループが多いと思われますが、ロス・ビッチョスは一般的なロック・バンドの編成です。ショルキー担当のメンバーがいるのがユニークと言えばユニーク。YAMAHAのSHS-10SというFM音源のショルキーとのことです。それはともかく、ドラムがいるのがとにかく大きい。これは長らくロックに慣れ親しんできた人間の感覚かもしれませんが、ドラムがいるだけ急激に親しみやすくなります。ちなみにドラムセットにはカウベルやブロック、ボンゴといったパーカッションが組み込まれています。

ロス・ビッチョスのメンバーはロンドンのインディーシーンでそれぞれ活動していたそうです。分母にはロックがあり、分子にクンビア的なものを取り入れたという構造になっているといえます。ある種のカジュアルな取り組み方が彼女たちの風通しの良さ、親しみやすさに繋がっているように感じます。トムトムクラブ的なフレンドリーさと言ったら良いでしょうか。

ロス・ビッチョスは現在、プロデューサーにフランツ・フェルディナンドのアレックス・カプラノスをプロデューサーに迎えてアルバムを製作中とのことです。いつリリースされるのか不明ですが、楽しみにしています。

Rolling Stone Japan 編集部

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