ロス・ビッチョスが持つクンビアとロックのフレンドリーな関係 鳥居真道が考察

ロス・ビッチョスとほぼ同時期にコロンビアの首都ボゴタ出身のロス・ピラーニャスというトリオを知りました。彼らのアルバム『Historia natural』がとても良かった。レコメン系好きのためのラテン・ミュージックとでも言うべきでしょうか。血湧き肉躍り知恵熱が出るような内容でした。



寡聞にして知らずにいたのですが、ロス・ピラーニャスはアベンジャーズ的なスーパーグループとのことで、メンバーの一人、マリオ・ガレアーノはフレンテ・クンビエロというグループを率いています。そして、なんとフレンテ・クンビエロは昨年、民謡クルセイダーズとコラボして音源をリリースしているではありませんか!

また別のメンバー、エブリス・アルバレスはメリディアン・ブラザーズというグループの中心人物で、彼らが昨年にリリースした『CUMBIA SIGLO XXI』というアルバムもとても良かったのです。今年に入ってから知って、目下、聴き込み中であります。

昨年はリスニングにおいても引きこもりがちで、積極的にディグっていく姿勢があまりありませんでした。けれども、民クルのTiny Desk出演時の映像を観て、もっと音楽を聴こうという気持ちが湧いてきました。とくにクンビア。やっと2020年が終わり、2021年が始まったのでした。


鳥居真道


1987年生まれ。「トリプルファイヤー」のギタリストで、バンドの多くの楽曲で作曲を手がける。バンドでの活動に加え、他アーティストのレコーディングやライブへの参加および楽曲提供、リミックス、選曲/DJ、音楽メディアへの寄稿、トークイベントへの出演も。Twitter : @mushitoka / @TRIPLE_FIRE

◾️バックナンバー

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Vol.3「細野晴臣「CHOO-CHOOガタゴト」はおっちゃんのリズム前哨戦? 鳥居真道が徹底分析」
Vol.4「ファンクはプレーヤー間のスリリングなやり取り? ヴルフペックを鳥居真道が解き明かす」
Vol.5「Jingo「Fever」のキモ気持ち良いリズムの仕組みを、鳥居真道が徹底解剖」
Vol.6「ファンクとは異なる、句読点のないアフロ・ビートの躍動感? 鳥居真道が徹底解剖」
Vol.7「鳥居真道の徹底考察、官能性を再定義したデヴィッド・T・ウォーカーのセンシュアルなギター
Vol.8 「ハネるリズムとは? カーペンターズの名曲を鳥居真道が徹底解剖
Vol.9「1960年代のアメリカン・ポップスのリズムに微かなラテンの残り香、鳥居真道が徹底研究」
Vol.10「リズムが元来有する躍動感を表現する"ちんまりグルーヴ" 鳥居真道が徹底考察」
Vol.11「演奏の「遊び」を楽しむヴルフペック 「Cory Wong」徹底考察」
Vol.12 
クラフトワーク「電卓」から発見したJBのファンク 鳥居真道が徹底考察
Vol.13 ニルヴァーナ「Smells Like Teen Spirit」に出てくる例のリフ、鳥居真道が徹底考察
Vol.14 ストーンズとカンのドラムから考える現代のリズム 鳥居真道が徹底考察
Vol.15 音楽がもたらす享楽とは何か? 鳥居真道がJBに感じる「ブロウ・ユア・マインド感覚」
Vol.16 レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの“あの曲”に仕掛けられたリズム展開 鳥居真道が考察
Vol.17 現代はハーフタイムが覇権を握っている時代? 鳥居真道がトラップのビートを徹底考察
Vol.18 裏拍と表拍が織りなす奇っ怪なリズム、ルーファス代表曲を鳥居真道が徹底考察
Vol.19 DAWと人による奇跡的なアンサンブル 鳥居真道が徹底考察

Rolling Stone Japan 編集部

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