東京・渋谷発の多国籍音楽集団ALIが描く、血の通った音楽と哲学

──ALIの他メンバーのルーツを読むと、バラバラですけど、質感とか身体性のある音楽を好まれているなと感じるんです。それに対して、ALIの音楽はかなり洗練されていて、質感もハイファイな感じもするなと思っていて。

Leo : 質感はすごく大事で。70’s80’sだったらThe LoftとかParadise Garageとか数々のパーティー会場とかあった。90年代だったらレゲエクラブがいっぱいあったり、日本にも芝浦GOLDがあった。そういう場所に対する憧れがある。クラブで流れているうちに楽曲も洗練されるんですよね。ある程度の削ぎ落とされている感じというか。けど、僕らはむき出しで肉体的な感情もすごく意識していますね。僕が今1番気をつけているのは、今の時代がものに溢れているので、なるべく下手にやろうということで。絵で例えると、すごく上手にデッサンを描きたくはない。子どもって、全く似ていないけど空や鳥の絵を描くじゃないですか。なるべく、ああいう感じで音楽をやりたいんですよね。

──様々な音楽ジャンルのエッセンスを内包しつつ、ALIらしさもある。それが質感なのか、BPMなのか、何回聴いてもまだ分からないんですよね。

Leo: ロックンロールのロールの部分は大事にしたくて。ロックンロールのロールの部分がなにかと言うと、キース・リチャーズとかボブ・ディランとか言うように、人それぞれのエナジーというか独特なんですよね。

──そこのバックグラウンドには、メンバー全員が体験してきた音楽性とか時代性も反映されていると思います。その点でいくと、ALIのメンバー間では結構年齢差があるんですよね。

Leo: 僕と1番下で10個違うんですけど、1番下のやつがレコ屋で働いているぐらいレコードが好きで。そういう部分でALI全体にシンパシー感じてくれて一緒にやってくれていると思うんです。ラテンが好きなやつがパーカッションにいたり、ドラムはマイケル・ジャクソン命みたいなやつだし、ピアノのJINとサックスのYUはジャズとかが好きだったり。好きなものは枝分かれしているけど、お互いが繋がり合っているというか。

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