Aimerが語る、コロナ禍で感じた「生きる意味」と「救い」の感覚

Twitterでの呟きは、ある意味では「自分のため」でもある

─Twitterではファンに対し、努めて日常的な言葉を投げかけているように感じました。

Aimer:ずっと以前から私はインターネット・ライブをよくやっていたのですが、必ずみんなに「おやすみなさい」の言葉を言ってから終わらせていたんです。でもコロナになり、みんなで「おやすみ」と言い合うことすら当たり前でなくなってきていると感じていたから、せめてTwitterでは毎日「おやすみ」の言葉をみんなで言い合う行為を続けていました。そのことに関して、みんなから「安心できます」という声をぽつりぽつりともらうようになったのはすごく嬉しかったですね。

でもTwitterでの呟きは、ある意味では「自分のため」でもあるんです。SNSを通してみんなのために何かをしていないと、自分自身が苦しいというか。ライブもできず、表現者として発信する場が制限されていく中で、自分のためにもみんなと交流したいという気持ちがあったんですよね。

─ファンへ向けてでもあり、自分に対してでもある。Twitterでの呟きはまさに「祈り」のような言葉だったのかも知れないですね。

Aimer:本当にそう思います。

─ちなみにStay Home期間には、何か新しいことを始めましたか?

Aimer:今までやったことのなかった楽器を練習してみたり、宅録環境を整えDTMを今までよりも時間かけてやってみたり。ちょっと実験的なことを遊びで試みるなどしていましたね。そういうことをやっている時間が、自分にとっての「癒し」というか。まあ、結局音楽のことばかりやっていました(笑)。映画とかはなんだかソワソワしちゃって観られなかったです、自分のペースで出来る、という意味では今までよりも本は読んだかな。

─どんな本を読みました?

Aimer:今までは小説を読むことが多かったんですけど、なぜかこの状況になってからは一冊も物語を読んでいなくて。仏教の本とか読んでましたね。いろんな人の感情というか、怒っていることに自分の心が動かされすぎることが苦しくなってしまったので、仏教の「宗教的側面」というよりは「哲学的側面」についての本を読んでいました。

─6月には、ワンオクのTakaさんと清水翔太さんが発起人となった「[re:]プロジェクト」に、阿部真央さんや絢香さん、三浦大知さんらとともに参加し、楽曲「もう一度」をYouTubeにて発表されました。これはどのような経緯で実現したのですか?

Aimer:突然Takaくんから電話がかかってきて(笑)。清水翔太さんと曲を作っていて、「色んな人と歌いたいと思ってる。一緒に歌ってくれない?」と声をかけてくださったんです。その場ですぐに「歌いたい」と伝えました。それが4月の頭くらいだったと思うんですよね。



最終的に8人メンバーが集まって、熱量とともにそれぞれのこだわりも増えていって。結果的に、時間をかけてじっくり作りこむプロジェクトになりました。私も家にいる期間、自分が音楽制作のための環境を整えたのと相まって、そのプロジェクトをやることも自分自身の励みになったというところはありますね。

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