URC50周年ベストから、それぞれの記憶の中にずっと生きている風街

この『風街ろまん』からもう1曲。「旅と街のうた」11曲目です。「風をあつめて」。

・はっぴいえんど「風をあつめて」


『URC 50th ベスト・青春の遺産』DISC2「旅と街のうた」11曲目。はっぴいえんど「風をあつめて」。申し遅れましたが、『青春の遺産』は私が選曲してます。URCはまだ当事者がたくさんいらっしゃるので、最初話があったときはちょっと僕には荷が重いかもしれませんと言ったときに、当事者ではない、客観的に同時代をご存知の方に選んでいただきたいということで、楽しみながらやらせていただきました。なぜURCなのかっていう文章もこのアルバムに資料として入っているので、ぜひお読みいただけたら嬉しいと思います。さっき話に出た坂崎幸之助さんがNACK5の「K’s TRANSMISSION」という番組で「この前書きに泣きそうになりました」と言ってくれて。僕はそれを聴いていて感動したということをディレクターに伝えました(笑)。このはっぴいえんどの「風をあつめて」は、幻想の街ですね。イリュージョンのような失われた街。曲は「夏なんです」と同じく細野さんですね。さっきの「抱きしめたい」は大滝詠一さんでした。細野さんと大滝さんがいたということがロック史上の運命的な巡り合い。奇跡的な出会いと言ってしまっていいでしょうね。もともとエイプリルフールの小坂さんをヴォーカルでバンドを組もうというのが細野さんのイメージだったんですが、小坂さんがロックミュージカル『ヘアー』のオーディションに受かって、そっちに行ってしまった。変わりに選ばれたのが岩手県出身の大滝さんですね。東京出身の3人と岩手出身の大滝さん。こういう運命のいたずら。さて、「旅と街のうた」は幻の東京から下町のほうに足を伸ばしてみようと思います。なぎらけんいちさんで「葛飾にバッタを見た」。

Rolling Stone Japan 編集部

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