URC50周年ベストから、それぞれの記憶の中にずっと生きている風街

・竹内まりや「静かな伝説(レジェンド)」

「J-POP LEGEND FORUM」URC50周年『青春の遺産』パート3、日本で最初の大規模なインディーズレーベルURCの50周年を記念して発売された3枚組ベストアルバム『青春の遺産』の全曲紹介。今週はパート3、DISC2「旅と街の歌」の13曲目までお送りしました。流れているのは、この番組の後テーマ竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。

何度か話に出ていたはっぴいえんどの『風街ろまん』は、失われた都市のアルバムとして語られています。東京の街がまだ今のようにアスファルト、高層ビルで埋め尽くされる前、まだ都電が走っていたり、六本木あたりに駄菓子屋さんがあったりする時代の東京です。そうやって考えると今は日本中が風街なんでしょうね。あの頃僕らが見ていた街の形というのはほとんど残っていなくて、それぞれの記憶の中にずっと生きている。そうか、京都は別なのか。これは世界でも特別でしょうね。ちゃんと時間を切り取って、あの頃のままというのが生き続けている。世界でも貴重な街だと思います。旅の楽しみは、美しい景色を見るというのと、おいしい食べ物に出会うという。これは今も昔も変わらないんでしょうが、美しい景色を見るというのが少しずつ変わっているんでしょう。いまある美しい景色を見るというのも素敵な旅ではあるんでしょうけど、いろいろな街で失われた景色を探してみる。この街にもこういう景色があったはずだなとか、あの街にはこういう場所が残っているのではないかとか、そういうのを辿っていくという旅をすると、若い人でもきっと今ある景色だけではない何かが見えてきたりするのではないでしょうか。大阪にも神戸にもそういう場所がたくさんあるんだろうなと思います。『風街ろまん』大阪編とか神戸編、松本隆さんが今神戸にお住まいなわけで、彼にとっての風街は神戸ということになります。来週はDISC2「旅と街」の14曲目からお届けします。


『URC 50th ベスト・青春の遺産』を手にした田家秀樹


<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソナリティとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
https://cocolo.jp/service/homepage/index/1210
OFFICIAL WEBSITE : https://cocolo.jp/
OFFICIAL Twitter :@fmcocolo765
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Rolling Stone Japan 編集部

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