URC50周年ベストから、それぞれの記憶の中にずっと生きている風街

休みの国「旅するおばさん」


おばさんに拍手。なかなか微笑ましい歌でしょ? 休みの国は、はっぴいえんどの少し前にデビューした日本語のロックの元祖の一組。ジャックスのメンバーには和光大学の学生が多かったんですが、彼らの後輩でジャックスの運転手をしていた高橋照幸さんが組んだんですね。この曲はオリジナルのフルアルバム、72年の7月に出た『休みの国』収録です。高橋照幸さんは、休みの国を解散した後にヨーロッパにヒッピーのように出かけて行ってしまったんですね。ザ・フォーク・クルセダーズを解散したあとの北山修さんもシベリア経由でヨーロッパに行ったんですよ。五木寛之さんの『青年は荒野をめざす』という小説で、そういう旅が舞台になったので、みんなまずヨーロッパにヒッピーのように行くというのが流行りましたね。私の高校時代の友人も、シベリア鉄道でスウェーデンに行ってしまった。スウェーデンで結婚して子供を作って、もう日本に帰ってきませんね。若者だけではなくて、おばさんもスタスタスタスタ、テクテクテクテク歩いていた。こういうおばさんもいてほしいなと思って、DISC2の4曲目、休みの国「旅するおばさん」をお聴きいただきました。

Rolling Stone Japan 編集部

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