全米を震撼させたマイケル・ジャクソンのドキュメンタリー放映、その影響は?

まさに青天の霹靂のような『Leaving Neverland』――だが、マイケル・ジャクソンの死後のビジネスには大きな影響はないもよう(Dan Reed/HBO)


ラジオのオンエア回数やストリーミング件数は、ジャクソンの評判やエステートの財政状況を図るひとつの指針となる。ニールセン・ミュージックによれば、『Leaving Neverland』放映から数日後、全米ラジオ局でのジャクソンのオンエア回数は1日2000回から1日1500回に減少。ニュージーランドやカナダのラジオ局のいくつかは、彼の楽曲を一切オンエアしないとまで宣言した。だがニールセン社によれば、SpotifyやAppleMusicといったストリーミングサービスでは、3月3日と4日のドキュメンタリー放映後もジャクソンの楽曲は1週間に1649万7000件――ジャクソンの通常の週間再生回数1600~1700万件の範囲内におさまっている。そのうえ、ジャクソンの楽曲はSpotifyの代表的なプレイリストに加えられたままだ。そのうちのひとつ「All Out 80s」には500万人のフォロワーがついている(アーティスト本人に特化したプレイリスト「This Is Michal Jackson」のフォロワーは100万人以上)。

唯一ジャクソンの存在のもみ消しに躍起になっているのが、インディアナポリス子ども博物館だ。ここでは、アーティストの代名詞ともいえる手袋やマスク、サイン入りポスターなどの展示品を撤去した。「新たな事実が判明したり、歴史を別の角度から見直すことになった場合、我々は(展示物として)適切かどうか再検証することがあります」と、ミュージアムの展示ディレクター、クリス・キャロン氏は述べている。

ジャクソンの楽曲はステイプルズ・センターからも姿を消した。ESPNのロサンゼルス・レイカーズ担当レポーター、デイヴ・マクメナミン氏は、巨大スクリーンに投影される「エア・バンド・カム」のBGMが、「今夜はビート・イット」からニルヴァーナの「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」やチャック・ベリーの「ジョニー・B・グッド」に変更されていることに気づいた。

多くのセレブリティたち――エレン・デジュネレス、モリー・リングワルド、#MeToo運動の火付け役ローズ・マクゴーワンなど――が、ロブソン氏とセーフチャック氏への支持を表明した。シーアやアマンダ・パルマーといったミュージシャンも加勢した。だが、誰一人としてジャクソンを名指しする者はなく、代わりに被害者の声に耳を傾けろというメッセージを発信した。その一方で、T.I.やジュース・ワールド、ジェイソン・デルーロ、インディア・アリーらはソーシャルメディアやマスコミに声明文を発表し、ジャクソン擁護に回った。

「片方の言い分だけ聞いて、真実を知ったつもりになっちゃだめだ」というのは、T.I.のInstagramの投稿。「ああ、その通り……死人に口なし。だったら、なぜいまさら蒸し返すんだ? 黒人が誇る歴史的偉人をまた一人葬ろうというのか?!」

伝聞によれば、ドレイクは今月『スコーピオン』のヨーロッパツアーを再開した際、MJの死後にコラボレーションした作品「ドント・マター・トゥ・ミー」をセットリストから外したようだ。ドレイク側からはこの決定に関する詳細コメントはいまだ発表されていない(ドレイクの決定に関し、彼の代理人はコメントを控えた)。

Translated by Akiko Kato

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