マイケル・ジャクソンを告発した2人と監督が語る、この映画を作った理由

左から:ウェイド・ロブソン氏、ダン・リード監督、ジェイムズ・セーフチャック氏(Taylor Jewell/Invision/AP/REX/Sh)

少年時代に性的虐待を受けたとして故マイケル・ジャクソンを糾弾した、赤裸々なドキュメンタリー映画『Leaving Neverland(原題)』。その当事者でもあるウェイド・ロブソン氏とジェイムズ・セーフチャック氏、そして本作の監督でもあるダン・リードがローリングストーン誌のインタビューに応えてくれた。「どんなに恐ろしくて嫌なことも口にしなくては。それが状況を変える唯一の手段だ」と、ウェイドは語る。

まさか、スタンディングオベーションが起きるとは思っていなかったのだろう。先月のサンダンス映画祭で大喝采を前にしたウェイド・ロブソン氏とジェイムズ・セーフチャック氏は、涙で目を潤ませた。少年時代に性的虐待を受けたとして故マイケル・ジャクソンを糾弾した、赤裸々なドキュメンタリー映画『Leaving Neverland(原題)』のプレミア上映後の出来事だった。

合計4時間におよぶ2部構成のドキュメンタリーの監督を務めたのはダン・リード。1980年代と90年代、カリフォルニア州サンタバーバラ郡にある故ジャクソンの夢の世界で夜を過ごした際に2人の少年が受けたとされる性的虐待をつまびらかにしている。当時セーフチャック氏は南カリフォルニア出身の子役、ロブソン氏はオーストラリアからやってきたちびっこダンサー。性的虐待が始まったとき、2人ともまだ10歳の誕生日を迎えていなかった。

「起きてしまったことは変えられません」 現在は父親となり、振付師として活躍するロブソン氏はサンダンスの観客に向かってこう言った。「それに、マイケルを止めようとしても何もできません。彼はもう死んでしまった。この世にいないのですから。起きてしまったことはしょうがない。実際のところ、いまさら何ができるでしょう?」

日曜と月曜、北米中の視聴者がHBOで2部構成の『Leaving Neverland』の放送を目にすることだろう。ドキュメンタリーではロブソン氏とセーフチャック氏(そして2人の家族)が4時間にわたって自らの体験を生々しく語り、子どもの時にスーパースターから受けたとされる虐待と、彼に対して抱いた愛情に向き合っていく。

両氏とも、ジャクソンとの関係は何年も続いたと語っている。遠出したこともあれば、ネバーランドで長期間滞在したこともある。ドキュメンタリーによれば、昼間はゲームをしたりして楽しく過ごし、夜はジャクソンの寝室で性的行為を受けていた。「彼からは、もし誰かが僕たちのしていることを見たら、彼も僕も一生刑務所に入れられてしまうだろう、と言われました」とロブソン氏は映画の中で語っている。

セーフチャック氏は、本人曰く「リトル・ワン」と呼ばれていた。シンガーの影響力は本人たちだけでなく、彼らの両親や兄弟姉妹及んでいた。ジャクソンが一緒に写る家族写真には、キング・オブ・ポップと呼ばれた人物が、郊外にある子供たち家で寛いでいる姿があった。

『Leaving Neverland』の製作は、MeToo運動が起きる前、映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの恐るべき事実が明るみになる前から始まっていた。ジャクソンの遺族はすでに非難の声をあげ、2009年に他界したジャクソンの遺産管理団体を相手に、ロブソン氏とセーフチャック氏がそれぞれ訴訟を起こしたと指摘している。

ジャクソンの遺族は亡きポップスターを声高に擁護し、訴訟を起こしたまさにその2人が以前、同様の裁判でジャクソン氏を弁護していた事実を持ち出した。今週ジャクソンの兄たちと甥はローリングストーン誌とのインタビューに答え、ドキュメンタリーおよび2人の元小さな友人はただ富と名声が欲しいのだと主張した。「結局は金です」と、マーロン・ジャクソン。ジャクソン・エステートはHBOを1億ドルの損害賠償で訴えている。

Translated by Akiko Kato

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