BABYMETALとELECTRIC CALLBOYが語る、「RATATATA」制作の舞台裏

BABYMETALとELECTRIC CALLBOY(Photo by Taichi Nishimaki)

BABYMETALとエレクトリック・コールボーイ(ELECTRIC CALLBOY)のコラボ曲「RATATATA」が世界を席巻している。日本時間5月23日に配信され、24日0時に解禁されたミュージックビデオはYouTube900万回再生を突破。さらに米Billboardの「Hard Rock Digital Song Sales」チャートで1位を記録。6月8日・9日、ドイツで開催された巨大野外ロックフェス「ROCK IM PARK」と「ROCK AM RING」では大観衆を前に熱狂のコラボステージが実現した。

ちなみに同曲のライブでの世界初披露は、5月25日、26日、さいたまスーパーアリーナで開催されたBABYMETAL初主催フェス「FOX_FEST」だった。2日間を通して約3万人を動員した同フェスのDAY2、バックステージでBABYMETALとエレクトリック・コールボーイのインタビューが実現。ともに結成が2010年だったり、ともに積極的に海外で活動していたり(エレクトリック・コールボーイはドイツのバンド)、共通点が多々ある両者。「FOX_FEST」について、BABYMETALのプロデューサーであるKOBAMETALが「これからのシーンを一緒に作っていく“同志”と呼べるようなバンドさん、またはBABYMETALの次の世代を担ってほしいアーティストさんと一緒にやってみたい」と語ってくれたが、まさしく“同志”の証が刻まれた強烈な1曲と言えるだろう。

「RATATATA」の話から、主催フェスの話まで、BABYMETALとケヴィン・ラタイジャック(Vo, Key)とニコ・サラック(Vo)が気さくに話してくれた。

【写真を見る】BABYMETAL主催フェス「FOX_FEST」(全12枚)

ーまずは昨晩ステージ上で世界初披露となった「RATATATA」のコラボレーションの感想から聞かせてもらってもいいでしょうか?

ケヴィン:もう、とにかく最高だった。準備が大変だったから、やるまではワクワクとドキドキのどっちもあったんだけど、一緒にステージに立ったら、何の違和感もなかったよ。BABYMETALとはすごく仲がいいから、息もぴったりだった。彼女たちのパフォーマンスはいつも通り完璧で、そこに僕たちもしっくり馴染むことができたと思う。共演できたのは大きな喜びだ。

ニコ:僕たちにとっては、これだけ大勢の観客の前であの曲を初めてプレイする大きなチャンスだったからね。ケヴィンが言ったように、コラボレーション自体はすごくいい感触を得ることができた。今夜またやるのが待ち遠しいよ。

SU-METAL:本当に楽しかったです。新曲を初めて披露するとき、いつもだったら緊張するんだけど、2人とは仲良しだから……(笑)。

MOAMETA&MOMOMETAL:(笑)。

SU-METAL:コラボレーションもいつもは緊張するのに、初披露とは思えないくらいすっごく楽しくて。それは2人とのリレーションシップができていたからっていうのもあると思うし、本当に楽しかったです。

ケヴィン&ニコ:ありがとう。



ー「RATATATA」はBABYMETALらしさとエレクトリック・コールボーイらしさが融合したアッパーな曲ですが、どんなイメージやテーマを持って制作に臨みましたか?

ニコ:最初の構想として、五分五分の曲、つまりお互いの良さを併せ持った曲にしたかったんだ。実際、制作には長い時間を要した。毎回アイデアを出しては、ファイルで送らないといけなかったからね。でも最終的にはみんなが満足するものができた。

ケヴィン:気の合う人と一緒に曲を作る際の利点は、互いが相手を尊重して、独自のことをやってもらうことで、自分も何か学ぶことができること。そうすることで、どちらも自分たちらしさを失うことなく、自然と溶け合うことができる。この曲の中には、自分たちだけだったら絶対にやらないけど、今回やってみてすごく気に入っているものがある。一番いい例が“フーフー"の合いの手だよ。正直、最初はどうすればいいのかわからなかった。自分たちだけの曲ならやらないけど、今となっては曲に欠かせない部分だ。“フーフー"がなきゃ成り立たない。

ニコ:地元のスタジオで最初に聴いた時は「なんだ、こりゃ?」と思ったよ。

BABYMETAL:(笑)。

ニコ:自分たちが普段作る音とはあまりにかけ離れているから、これがいいのかどうかもわからなかった。でもBABYMETALから、これはカラオケ文化に根ざしたもので、日本では誰もが耳馴染みのあるものだって聞いて、気持ちが変わった。それを入れる確固たる根拠があったからだ。今では“フーフー"がないと物足りないくらいだ。

MOAMETAL:ミュージックビデオの撮影前日まで、“フーフー"をどうするかが決まらなくて。

MOMOMETAL:そうだったね。

MOAMETAL:アリかナシかもわからないまま挑みました。ギリッギリまで粘ってできた、こだわりの作品です。

SU-METAL:“フーフー"言いたい私たちと、“フーフー"ってよくわからないって意見と(笑)。

ケヴィン:(笑)その通りだった。

ニコ:「どうせならもう1カ所入れよう」って言われて、「それはカンベンして!」って。

一同:(笑)。

ケヴィン:さっき会場の横にあるショッピングセンターを歩いていたら、エスカレーターであるカップルとすれ違った時に、この曲のメロディが聞こえて、えっと思ってカップルのほうを見たら、何を言ってたかはわからなかったけど、この曲を口ずさんでいたよ。

Translated by Yuriko Banno

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