母親から車椅子での生活を強いられた娘が選んだ「結末」とは?

ブランチャード殺害をめぐり、ジブシーの元恋人ニコラス・ゴドジョン被告(写真左)が法廷に立つ。(Photo by AP/Shutterstock; HBO)

2015年6月、クローディーヌ・ディーディー・ブランチャード殺人事件は、全米メディアの注目を集めた。注目されたのは、17回にわたって被害者の女性を刺したという残忍な殺害の手口だけでなく、殺人者を凶行へと走らせた奇妙な物語にあった。

米ミズーリ州スプリングフィールドの自宅で48歳のブランチャードが死体で発見されてから数日後、ウィスコンシン州の自宅にいた娘のジプシー・ローズとボーイフレンドのニコラス・ゴドジョンが逮捕されたのだ。ブランチャード親娘を知っている人々にとってさらに大きな衝撃となったのが、ブランチャードがジブシーを車椅子に乗った病身のティーネイジャーのふりをさせていた、という事実だった。

そして今週、こじれた母と娘の関係とブランチャード殺人を引き起こす結果となった長年の秘密と嘘が再びニュースになっている。米国現地時間13日、ウィスコンシン州グリーンカウンティーにて、第一級殺人をめぐるゴドジョン被告の裁判がはじまった。2016年にジプシー・ローズは有罪を認め、第二級殺人の罪で10年の禁錮に処せられている。罪を認めた際、ジプシー・ローズはキリスト教系のデートサイトで出会ったゴドジョンに長年にわたって自分を虐待し続けてきた母親を殺害するよう仕向けた、と述べた。この事件を検証してきた専門家の多くは、ブランチャードが代理ミュンヒハウゼン症候群という、親あるいは介護者が他者の病気を誇張、捏造することで注目や同情を得ようとする精神疾患の持ち主であると判断した。

幼い頃から、ブランチャードはジプシーに自分が重度の障害者であると同時に慢性的な病に侵されていると信じさせ、不必要な施術を受けさせたり、薬物を摂取させたりした。その一方、ブランチャードは数々の慈善団体から寄付を巻き上げていたのだ。ブランチャードは、ジプシーは白血病、筋ジストロフィー、ぜんそく、脳障害によって知的能力が7歳児レベルであると主張していた。ジプシーは8歳から車椅子での生活を強いられ(脚に問題はなかった)、栄養チューブを通して食事を与えられ、髪を刈り上げられた。ジプシーが抱える様々な病状があたかも真実であるかのように、ブランチャードは次から次へと医師を欺いた。母親の策略を見抜けるまでジプシーが大人になっても、ブランチャードはこの茶番を続けさせ、幼く見せるように年齢を偽り、時には身体的および精神的な虐待を加えることもあった、とインタビューでジプシーは語った。

Translated by Shoko Natori

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