15位 『少年と犬』(75)
通貨の代わりに缶詰が流通し、共通言語は暴力であるような荒廃した場所で暮らしていたら、ほとんどの人間にとって、性欲は最優先事項にならないだろう。だがその前提があるからこそ、ハーラン・エリスンの同名小説を映画化したこの奇妙な低予算映画が風刺として成立する。(『マイアミ・バイス』以前の)若きドン・ジョンソンが演じるヴィックは、セックスがしたくてしょうがない年頃のティーンエイジャー。飼い犬のブラッドとテレパシーで交流しながら、日々放浪している。ある時、地上とは異なる地下の文明社会が、人口を増やすために精子提供者を探していることを知り、喜んで志願するヴィックだったが。エリスンの原作のテーマだけを考えれば、もっと効果的に使われた映画がほかにあるかもしれない。だが、本作の不穏さと特異さは、まさに真のカルト映画の名にふさわしい。(JN)


14. 『マッドマックス』(79)
オーストラリアを舞台にした西部劇であり、70年代的なヴィジランテ(自警団)映画であり、アクション満載の終末世界のロードムービーでもある。オーストラリア製エクスプロイテーション映画を代表する1作『マッドマックス』は、荒廃した近未来を舞台に、無法者の暴走族から残された文明を守ろうとする警官「マッド・マックス」ロカタンスキーの姿を描いた。ジョージ・ミラー監督が具現化したスタントカーレース=ディストピアは、主演のメル・ギブソンを国際的なスターダムに押し上げた。ただしアメリカでは、オーストラリア訛りの英語をアメリカ英語に吹き替えた酷いバージョンが公開されたため、興行的に苦戦。結果的に、数年後に続編でありシリーズ最高傑作『マッドマックス2』が公開される頃には、本作は真正カルト映画の地位を獲得していた。(CC)


13. 『アンドロメダ』(71
マイケル・クライトンの小説『アンドロメダ病原体』をロバート・ワイズ監督が映画化した本作は、映画『バイオハザード』シリーズの先駆けとも呼べる作品。宇宙から来た致死性の病原体という題材は、これまでどちらかというとチープな幻覚系の描写をされることが多かったが、ここでは科学報告書的なリアルさに取って代わられている。墜落した人工衛星に付着した未知の細菌の胞子(コードネーム:アンドロメダ)が、人類を滅亡させるかもしれないことが発覚し、科学者たちがそれを食い止めようと奮闘する姿を描く。70年代のSF映画が好んだ真っ白な無菌空間のイメージと、サイエンス・フィクションの「サイエンス」の部分が際立つ傑作。ただし、細菌恐怖症の人は、鑑賞に注意が必要だ。(DF)

Translation by Mari Kiyomiya

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