ヴァン・ヘイレンの超クールなレア曲20選

Photo: (Ebet Roberts/Redferns/Getty)

『シークレット』
「オー・プリティ・ウーマン」「ハッピー・トレイルズ」など5曲のカヴァーを含む82年のアルバム『ダイヴァー・ダウン』に収録された隠れた名曲。「シークレット」では、ジャズロックバンドのスティーリー・ダンが考案しそうなメロウなシャッフル、シマーエフェクト、複雑なコードチェンジが使われている。ワンテイクで録音されたと言われている本作の流れるようなフュージョンギターソロはエディのプレイの中で秀逸かつもっともメロディアスで、へヴィ―メタルのギタリストというレッテルを貼られることについてインタビューで不満を言うのはもっともなことだと証明している。
『ザッツ・ホワイ・アイ・ラヴ・ユー』
エクストリームのヴォーカリスト、ゲイリー・シェローンをフィーチャーした唯一のアルバム『ヴァン・ヘイレンIII』が音楽的にも商業的にも紛れもない失敗作であることに異議を唱えるものは(関わったミュージシャンを含めて)まずいないだろう。方向性のないアレンジ、明確なストラクチャーやメロディの欠如による緊張感と一貫性のない音楽、そして、シェローンは、他のメンバーの音楽的コンテクストに合わせてうまく役回りを演じているが、そのヴォーカルは恐怖と苦痛に満ちているように聞こえる。メンバー全員に美的判断が欠如していたことを考えれば当然のことだが、実にソリッドな曲になったであろう「ザッツ・ホワイ・アイ・ラヴ・ユー」はアルバムに収録されなかった。このデモのサウンドはベストとは言えないが、前途有望なヴァン・シェローンというパラレルワールドを垣間見ることができる。

「ユー・アンド・ユア・ブルース」
いくつものバンドを渡り歩いた末にデイヴィッド・リー・ロスが再加入した2012年のアルバム『ア・ディファレント・カインド・オブ・トゥルース』は、アメリカではゴールドディスクに認定されていないが、アルバムの素材は実にバイタルだ。それはおそらく、かつてロスが在籍していた時代の名残が大幅にそぎ落されたためだろう。名曲ぞろいの収録曲の中でも秀逸なのが「ユー・アンド・ユア・ブルース」だ。過ぎ去った時代なら、ロックラジオ局の電波を何カ月も乗っ取ったであろう、突き抜けるようなチープ・トリックお墨付きのパワーポップコーラスが特徴の、辛辣な別れの歌だ。

Translation by Naoko Nozawa

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