エディ・ヴァン・ヘイレン、超絶ギターソロ・ベスト20

エディ・ヴァン・ヘイレンのギターソロからベスト20を厳選 (Photo by Paul Natkin/WireImage)

ギターの神とも言える、エディ・ヴァン・ヘイレン。「暗闇の爆撃」、「パナマ」、「ライト・ナウ」など、記憶に残る驚愕のテクニックの数々をセレクトした。

現代のロックンロール・サウンドを語る上で、エディ・ヴァン・ヘイレンは外せない。ジミ・ヘンドリックス、ジミー・ペイジ、エリック・クラプトンら先輩たちに倣い、エディは単独(シングルハンド…彼の場合は時にはダブルハンド)で、ギターのひとつの時代を築いた。彼の繰り出す華麗なフィンガータッピング、自由自在なアーミング、ほとばしるメロディはギターソロの常識を覆し、数多くのギタリストたちが彼のスタイルを真似た。しかし彼の弾くあらゆるフレーズにはハートが籠もっていた。1月26日に誕生日を迎えたギターヒーローに敬意を表し、印象に残るフレーズから、どうやって弾いているのかわからないような驚愕のテクニックまで、最高のギターソロ・ベスト20を厳選した。そのどれにも彼の優れた才能が表現されている。

「叶わぬ賭け(Ain’t Talkin’ ‘Bout Love)」1978年

ヴァン・ヘイレンのデビューアルバムからの4枚目のシングルで、今日でも人気の高い同作品は当初、その頃盛り上がっていたパンク・ムーブメントに対するパロディとして書かれた。「2つのコードだけで作った馬鹿げた代物だった」とエディ・ヴァン・ヘイレンは、かつてギターワールド誌に語っている。シンプルな曲調に合わせて派手さを抑えながらも、エレクトリックシタールを加えて強烈かつメロディアスなソロを聞かせている。セックス・ピストルズやバズコックスのアルバムに収録されていても違和感のないギターソロで、彼らがパロディにしたパンクを凝縮したような作品となった。グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングは機会のある毎に、彼の初めてコピーしたギターソロはこれだと公言している。(T.B.)

「暗闇の爆撃(Eruption)」1978年

YouTube上で「Eruption Cover」と検索すると、12歳の少年がエディの代表的な1分42秒のソロを正確にコピーする動画が見つかるだろう。エディのコンサート前のウォーミングアップから生まれたインストゥルメンタル曲で、少年の動画は、ギターソロの難易度云々よりも、同楽曲が現代音楽のスタンダードとしてのステータスを得たことを物語っている。

実際にロックギターのソロは、『暗闇の爆撃』以降(1980年代から)変わったと言っても過言ではない。曲の前半は壮大なパワーコードから速弾きへと続き(1970年のカクタスによるブギ・ロック『Let Me Swim』を彷彿とさせる)、さらにアームダウン。両手を使った一連のタッピングフレーズは、エディ曰く「左手に6本目の指が生えたような感じ」で、とても美しく生き生きとしている。眼の前でエディが、ギターの未来へと架かる橋を築いているようだ。

ギターのフィンガーボードを指でタッピングし始めたのは、もちろんエディが初めてではない。しかし1978年に彼自身が解説しているように、彼以前のプレイヤーたちは「指で叩いてひとつの音を出すだけ」だった。「誰も本当にモノにしているとは言えなかった。そこで本格的にやってみたら、それまで誰も弾いたことのない全く新しいテクニックになった。その通り、思いつく限りそれまで誰も僕のように弾いたギタリストはいなかった。全く新しいサウンドだ」という。

エディの作り出したサウンドは、ロックギターのDNAを永久に書き換えた。(R.B.)

Translated by Smokva Tokyo

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