かりんちょ落書きが指向する骨太なロック、自分の弱さや恥ずかしい部分を描く理由

ー今回リリースされる1stフルアルバム『レストラン』に収録されている11曲は、ご自身の中での自信作を選曲したんですか?

去年まで出していたシングルも最終的にはアルバムにしたいっていう思いで作っていたので、やっとそれがちゃんと1個の作品になったなという感じです。今までシングルとして出していた曲にプラスで3曲追加しました。

ータイトルの『レストラン』は、どういったところから付けたんですか?

レストランって言葉は飲食店っていうイメージが強いんですけど、それ以外にも再出発、再構築って意味もあって、それがすごく素敵だなと思ってタイトルにしました。自分もバンドを経て今シンガーソングライターになって、今までの形をある種ぶち壊して今新しく自分の形を作っているんですけど、その第一歩としてのアルバムっていう意味も込めてレストランという言葉を選びました。

ー今作のリード曲である「管制塔」。こちらの楽曲は、昨今の世界情勢であるロシアとウクライナの戦争を受けて作られたということで、かなりシリアスなテーマになっていますよね。

最初は全く戦争のことを考えてなかったんですけど、ウクライナとロシアの戦争が始まった時期がちょうど曲作りをしていた時で。そしたら母親から「もしかしたら、あなたにはこの戦争について歌う義務があるかもよ。あなたにはそれをできる力がある」みたいに言われて作ろうと思いました。六畳一間の部屋の中から歌っている歌だし、窓から空を見ているだけなんですけど、自分の気持ちとして、会えなくなってしまった人に向けて歌っているという気持ちもこの曲には込めて作りました。



ー戦争という重いテーマを歌にしていく中で、ナイーブな感情になりませんでしたか?

この曲を作っている段階では、それに引っ張られて苦しくなっちゃうみたいなことはなかったですね。あとは、この曲を歌っていく上で色んなことに結びつけばいいなと思っていて。別に自分からこの曲はこうだって言わなくてもいいと思うし、あまりそれを言いたくもないなって思いますね。この曲を聴いて、戦争を覚え浮かべる人もいるだろうし、もっと身近な人思い浮かべる人もいるだろうし。

ー歌詞を考える上で、そういった風に色んな解釈がある曲を作るということは意識されますか?

意識しますね。僕は言葉を繰り返して使うので、その言葉の感じ方は人それぞれでいいと思うし、時々によって違くていいと思っています。言葉がリフレインされる中で、その人にとっての何かを感じ取って欲しいなと思います。

Rolling Stone Japan 編集部

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