かりんちょ落書きが指向する骨太なロック、自分の弱さや恥ずかしい部分を描く理由

ーかりんちょ落書きさんの紡ぐ言葉は、人間の弱い部分やネガティブなところにもちゃんと寄り添ってくれているように感じました。

多分これは僕の根暗な性格からなんですけど、言葉を出していく時にどうしても自分の弱い部分が前に出てきてしまうんですよね。でも、きっと自分と同じように感じている人も絶対にいると思うから、そういう言葉を歌って自分の弱さを見せることで、弱っている誰かを安心させたいというか、少しでも寄り添えたらなって。全然希望じゃないんですけど、少しでもその人の近くにいれたらいいなって思います。

ー言葉自体は希望に溢れたものではないとしても、弱さに寄り添っていく中で最終的に希望に繋がっていくように感じました。

そうですね。絶対そのまま終わらせたくはないと思っていて。だから曲が終わるにつれて、その人にとっての明るい未来、明日への希望になって欲しいってことを絶対に曲を作る上でテーマにしていますね。

ー作詞のスタンスで影響を受けたアーティストや、好きな歌詞を書くアーティストはいますか?

エルファントカシマシやウルフルズは好きな歌詞が多いですね。近くにいてくれる存在の人がすごく好きなんですよね。でも普段あまり歌詞を意識して曲を聞かないんですよ。結構メロディーやサウンドを聴くことが多いので、あまり言葉が先に入ってくるっていうことはないですね。

ー歌詞よりもメロディーやサウンドを聴くというのは洋楽的な聴き方だと思うんですけど、洋楽のアーティストでよく聴いて影響受けた人はいますか?

洋楽も結構聴いてきて、最初に好きになったのはAC/DCですね。元バンドメンバーがすごいハードロック好きで、自分のお気に入りのプレイリストをCDで焼いて渡してくれたんですけど、どれも良くなくて(笑)。ハードロック無理だなと思っていたら、翌日そのCDを返そうとしたら「これも聴いてみてよ」ってAC/DCの『バック・イン・ブラック』ってアルバムを貸してくれたんですよ。別に期待せずにプレイヤーで聴いてみたら「これはめちゃくちゃかっこいい!」って思えて。それから洋楽をすごく聴くようになりましたね。ザ・フーやヴェルヴェット・アンダーグラウンドとかレジェンドの人たちを好んでよく聴いていますね。

ーシンガーソングライターとして活動されている中で、同世代のシンガーソングライターやバンドで意識したり、影響受ける人っていますか?

バンドの時からの付き合いで同い年にDUGOUT CANOEっていうバンドがいて、彼らとの出会いは自分にとって大きかったですね。ボーカルの大槻君は自分とも音楽性が近くて。その時僕がやっていたバンドは今とは全然違ってダンスナンバーが多いロックバンドだったですけど。彼はもっと言葉を大事にしていて。バンドを引っ張っていく彼の姿勢を見て色んなことを勉強させてもらいましたね。やっぱお互いにすごく意識し合っているから、ちょっとDUGOUT CANOEの方が調子良かったらめちゃくちゃ悔しいし逆も然りで。常に意識はしていますね。


かりんちょ落書きのライブ写真

Rolling Stone Japan 編集部

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