ベルウッド・レコード50周年総括、三浦光紀が築いた才能溢れるニューミュージックの土台



田家:ベースが唸ってますね。

三浦:細野さんですね。あと茂さんのギターもすごいし、ティン・パン・アレイの名演奏ですよね。それとやっぱり矢野誠さんのストリングスのアレンジが素晴らしいなと思って。

田家:あがたさんははちみつぱいとの繋がりが先週、先々週と何度も出ていましたけども、このアルバムははっぴいえんどのメンバーが入っている。

三浦:松本さんがやっていましたから。

田家:これはあがたさんの方で彼らとやりたいと?

三浦:松本さんにお願いしたいと。

田家:『噫無情(レ・ミゼラブル)』のプロデューサーが松本さんでしたからね。

三浦:はっぴいえんどの松本さんがティン・パン・アレイをレコーディングの時はディレクターとしてやっていたわけですよね。

田家:あがたさんは、はちみつぱいとはっぴいえんど両方と一緒にアルバムを作っている人。そういう意味ではもっといろいろな光の当て方ができる人でしょうね。

三浦:いろいろな側面を持ってますもんね。大瀧さんのフィル・スペクターサウンドみたいなやつも得意ですよね、あがたさんは。

田家:「僕が天使ぢゃないよ」は公開された同名の映画がありまして、その映画には泉谷しげるさん、鈴木慶一、大瀧詠一さん、友部正人さん、中川五郎さん、井上堯之さんが出てる。

三浦:あと、横尾忠則さんとかね、岡本監督とかすごい人が出てるんですよ。

田家:なるほどね。この映画観る機会ないですもんね。アルバムの中には大瀧さんの「びんぽう」とか、「それはぼくじゃないよ」とか「乱れ髪」も歌われている。

三浦:すごい乱暴なアルバムですよね(笑)。

田家:でも三浦さんにとってはしてやったりの(笑)。

三浦:そうそう、うちでしかできないなって(笑)。自分の持ち駒を全部集めた感じ。

田家:あがたさんの他の人にない才能はどんなところですか?

三浦:まず声。意外とロックが似合うんですよね。下駄を履いてフォークを歌っているからあっちかなと思っていたけど、全然違うんですよね。僕はあがたさんを見た時にベルベットアンダーグラウンドを思いましたね。

田家:ルー・リードがあがた森魚さんなんだ。

三浦:そうそう、そんな感じ。

田家:なるほど、日本のルー・リード。すごいなあ、これは。あがた森魚さんのブーム来そうですね。もう1曲39曲目、1974年のアルバム『噫無情(レ・ミゼラブル)』の中の曲です。「はいからはくち」。

Rolling Stone Japan 編集部

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