ベルウッド・レコード50周年総括、三浦光紀が築いた才能溢れるニューミュージックの土台

教訓 I / 加川良

田家:三浦さんのキャリアがそもそも1970年のフォークジャンボリーに会社の機材を持ち出して録音した頃から始まっている。この話は何度か出ましたけども、これは1971年のフォークジャンボリーの実況盤ですね。

三浦:そうです。すごく懐かしいですよね。ここで僕はあがた森魚さんとはちみつぱいを発掘するという(笑)。

田家:その中で「教訓Ⅰ」を選ばれているのは?

三浦:この曲は反戦歌の名曲ですよね。本当にこの曲が好きで、カラオケって歌ったことないんですけど、歌うとしたらこればかりです、他の曲は歌わない(笑)。

田家:1971年のフォークジャンボリーのライブアルバムはベルウッド発足前に出たアルバムで、そういうアルバムがベルウッドの発足の追い風になったということはあるんですか?

三浦:やっぱりありますね。何度も言うけど、中津川がなかったら僕のところにタレントはいないです。全部そこで見つけたわけで、僕にとっては宝の山です。

田家:会社もこういう人たちが集まっているんだったら、ちゃんとやらないわけにはいかないという。

三浦:ただ、こういう人って知らないわけですから、当時ほとんどメジャーの人たちは知らない人ですもんね。

田家:その中の1人が加川良さんでもありました。今日の2曲目、やはり加川良さんで1974年11月発売、アルバム『アウト・オブ・マインド』の中から「こんばんは お月さん」。



三浦:これは『アウト・オブ・マインド』という加川良さんのアルバムで、今までずっとフォークシンガーの形でやってきたんですけど、僕は彼はブルースシンガーだなと思っていて、バックに鈴木茂さんとか、居候していた2人の天才少年。ドラムの林くんとベースの田中さん、それに佐藤さんが加わって演奏しているんですけど、これが後の茂さんのハックルバックになっていくんですよね。

田家:この時のセッションがきっかけでハックルバックになったんだ。

三浦:林さんと田中さんは恭蔵さんのバックもやっていて、これが2回目ですね。

田家:ベースの田中章弘さんとドラムの林敏明さん。今曲がかかっている時に三浦さんがちらっと見せてくれた携帯の中に加川良さんと三浦さんがジャケットを持って写った写真がありました。

三浦:そうなんですよね。加川さんのライヴに行って、作ったアルバムの宣伝をしたいからって。

田家:三浦さんが持っていった。いつ頃の写真なんですか?

三浦:いつ頃だったかなあ…… 忘れた(笑)。

田家:三浦さんも若いし、加川さんも若いですもんね。『アウト・オブ・マインド』の中からもう1曲「かかしのブルース」。

Rolling Stone Japan 編集部

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